NPO法人日本フロアホッケー連盟設立趣旨書
2005年長野で開催されたスペシャルオリンピックス冬季世界大会において皇太子殿下並びに 安川英昭大会実行委員長が奇しくも同様のご挨拶をされました。
「この大会を機に、知的障がいのある人々の社会参加が進んで、誰にも開かれた、温かみのある 社会が創造されることを希望します。」
この言葉を深く受け止め、私たちは、2005年12月に日本フロアホッケー連盟を設立しました。
これは、年齢や性別、障がいの有無に関わらず、また、それぞれの体力や技能レベルに応じて、全ての人が楽しめるユニバーサルスポーツであるフロアホッケーの普及・交流を通して、インクルージョン社会を創りだすことを目的としたものです。
フロアホッケーを所管する競技連盟が設立されたことは、世界で初めてのことであり画期的なことです。知的発達障がい者のスポーツとしてスタートしたフロアホッケーが、全ての人に愛されるユニバーサルスポーツとして発展することは、スポーツ史上大変意義深いことと言えるでしょう。
通常、日本のスポーツ界では、健常者のスポーツと障がい者のスポーツの所管省庁が異なり、競技団体も分かれています。しかし日本フロアホッケー連盟は、そうした壁を取り払い、全ての人を対象とする競技団体として、みんなで競い、共に楽しむ機会を提供してきました。
スペシャルオリンピックス冬季世界大会から5年の歳月が流れる中で、2008年には日本フロアホッケー連盟山形支部が設立され、長野にも今年新たに支部が設立されようとしています。中学校の体育館をお借りしてスタートした全日本フロアホッケー競技大会も、今ではオリンピック、パラリンピック、そしてスペシャルオリンピックス世界大会の舞台となったホワイトリングで開催できるようになり、昨年は第4回全国大会を開催することができました。
その際には、全国からスペシャルオリンピックスの地区プログラムを含む過去最多の42チームに参加をいただきました。あらゆる差異を超越した混成チームが増え、フロアホッケーがユニバーサルスポーツとして確実に広がりつつあることを実感し、本当に嬉しく思っています。お互いの違いを認め合い、「誰もが大切な存在である」と気付くことのできるスポーツは、フロアホッケーをおいて他にありません。この素晴らしい競技をさらに全国各地に広げ、きずなが失われつつある地域社会が笑顔あふれる社会になるよう、更なる努力を続けてまいりたいと思います。
この度、多くの皆さんの御理解御支援を賜り、日本フロアホッケー連盟をNPO法人化することとなりました。是非、この設立の趣旨に御賛同をいただき、NPO法人日本フロアホッケー連盟の設立、今後の活動にさらなる御支援を賜りますようお願い申し上げます。
NPO法人日本フロアホッケー連盟 設立発起人代表
名誉会長 細川 佳代子