
[D] ●自由を阻害し、国民を監視・管理するあらゆる法律(法案)に反対します
[D]
ENGAGEMENT(政治的参加)
あらゆる自由と人権のために
イロニーとパロディーによる抵抗と反抗
●はじめに
1999年8月の第145国会において、『国旗国家法(日の丸・君が代法)』『改正住民基本台帳法(住
民基本台帳ネットワーク・住基ネット)』『通信傍受法(盗聴法)』が、小渕首相(当時)のもとで強行成
立させられました。さらに今後法制化させられる恐れが強い有事法制・個人情報保護法案などの問
題悪法案も、この1999年8月を境に一気に浮上し、小泉首相の確信犯的かつ強引な国会運営によ
り、現時点(2003年2月)においても法案成立化へ動きが加速度的にその勢いを増してきています。
私は、一般市民の生活を一方的に監視・管理の元におき、市民の心理を重苦しく抑圧しながら、生
活を著しく阻害・不便・不随意たらしめる、これら極めて問題の多い悪法(悪法案を含めて)を、『国民
管理法(案)』ならびに『戦争準備法(案)』として個人的に命名することにします。
そして、国民の監視・管理強化、戦争準備化へと急速に邁進しつつある日本の現状と未来を憂い、
私たちを侵食しはじめたアメリカ追従型の流れを押し止どめるべく、ここに反対の意志を表明し、個人
レベルから、そして地方レベルからも、抵抗の態度(もちろん非暴力ですが)を示していきたいと思っ
ています。
■国民管理法(案)反対インシスタンス
《国旗国歌法・住基ネット・盗聴法・個人情報保護法への反対と抵抗に向けて》
国民を監視・管理し市民生活において大きな不自由をもたらす、以下の法律(法案)に対して反対
の意志を表明し、その廃棄に向けて抵抗を試みていくものとします。
ここでいう『国旗国歌法』とは、いわゆる“日の丸・君が代法”のことです。“住基ネット”とは、住民票
コードと呼ばれる11桁の番号を国民に強制付与し住民基本台帳ネットワークというコンピュータシス
テムで一元管理する、いわゆる『改正住民基本台帳法』のことです。“盗聴法”とは警察に盗聴捜査
を許可する、いわゆる『通信傍受法』のことです。『個人情報保護法案』とは、個人という名を借りなが
ら、その実態は公人への取材・批判を著しく制限・阻害する、“公人情報保護法案”とも呼ぶべき法案
のことです。
以下、私なりに考えた反対理由と反抗のための戦略を列挙していきます。
■『日の丸・君が代』のイメージ変容に向けて
@国旗『日の丸』のイメージを脱臼させて変容させる提案
白地に赤丸の『日の丸』掲揚に対しては、その図案からさまざまなイメージを連想することで意味を
変質・重層化してしまう方法で対抗します。
つまり、日の丸が表象(シンボルとしての記号)するその意味を、意味される側において日の丸以外
のイメージに変質化・重層化しようというものです。
たとえば、赤丸に糸を付ければ『赤い風船』をイメージできます。同様に、赤丸に小さな耳を付けれ
ば『猫さん』(かつて一世を風靡した“ナメ猫”がこのパターンです)や『熊さん』『ウサギさん』(ミッフィ
ーでおなじみのブルーナの描くところの絵本のキャラクターのシルエットを想像してみてください)に変
化します。『リンゴ』や『サクランボ』というのも美味しそうです。また、赤丸の中にスマイルマークのよう
に目や口のがついたキャラクターの顔をイメージしてみるのも愉快です。
なお、インターネットなどでは、もっと過激なイメージの変容が掲載されています。たとえば日の丸を
その発祥過程(戦国時代の武将たちの軍旗として白地に赤丸の旗がひんぱんに使用されていたなど
の史実)から検証し、日の丸が実は戦国時代における戦国武将たちの“奮旗”、つまり敵将の首を白
い風呂敷で包んだ血の跡を戦果として掲げた『血の丸』であったというものから、日の丸の中の赤丸
をアメリカ国旗の星条旗模様に変え米国追従を揶揄するもの、さらに赤丸をそのまま青丸(地球)に
変えた『地の丸』の提案というのものまであります。
@『君が代』を国民歌『民が代』にする提案
国歌『君が代』に対する拒否反応(アレルギー)を解消するために、『君が代』の“君(きみ)”を“民
(たみ)”に変えて斉唱することを提案します。
KIMIからTAMIへ。『君が代』から『民が代』へ。“き”を“た”に、たった一字変えることで、この歌が
もっている重苦しい強圧的な雰囲気を一瞬のうちに消し去り、簡単にその意味性を180度転回させる
ことができます。
つまり、国家権威の象徴ともいえる『君が代』を、メロディそのままに換骨奪胎して変節せしめ、本来
の主権者たる国民そのものを謳う“国民歌”としてアッという間に変身脱皮させ、軽やかに再生をはか
ろうという試みです。
国歌として『君が代』が半ば強制的に歌われている状況下(それは現在、教育現場に圧倒的に多
いとされています)では、音楽担当教師をはじめ、一般の各教師や生徒たちの人間性をはなはだしく
疎外蹂躙するような、『君が代』の強圧的で威圧的な斉唱指導が数多くなされていると聞きます。
『君が代』に対して拒否・拒絶反応をもたない人、あるいは好意的に受け入れる人々には何でもな
い問題ですが、反対に『君が代』に強烈なアレルギー反応を起こす人たちにとっては、これは耐え難
い深刻な問題となっています。
校長や教頭、あるいは会社や団体の上司、上官など、いわゆる絶対的な力をもった権力者によっ
て強制的に斉唱させられる『君が代』は、自らの主義心情と相反する葛藤を引き起こし、逃れられな
い強力なダブルバインドとして心身をともに深く侵食します。そしてそれは、やがて耐え難きストレスと
なって、人格・精神の分裂・崩壊をもひきおこしかねないほどのダメージを与えます。
そうした抗しがたい状況を打ち破るためにも、“君”を“民”に言い換えて歌そのものの意味性を180
度反転させ、ひそかにさりげなく、そして堂々と、新たな国民歌として歌い上げてしまうことを提案する
ものです。
“き”を“た”に、たった一字のみ言い換えるだけで、メロディはそのままでかまいません。歌詞を“一
字”言い換えるだけですから、わずかな口の動きと発声の変化で済みます。ひとり一人に独唱でもさ
せるかビデオカメラで厳密に監視でもしないかぎり、『民が代』の斉唱を管理できるはずもありませ
ん。
また、『君が代』の“君”とは、主君に対する呼び名であるとともに、自分よりも格下の者を呼ぶとき
にも使用されます。従って、『君』とそのままの形で呼び捨てにすること自体が、場合によっては極め
つけの“不敬”であるということにもなります。もしも『君が代』の歌詞の意を忠実に汲んで歌うとすれ
ば、この混同(不敬)を避けるために、せめても冒頭の部分には“御君が代にあらせられましては”
等々の、敬語的な修辞をつけて歌うべきであると思われます。
『君が代』斉唱に固執しその歌詞の意味を尊んでいる人はよく考えてみてください。 また、国民歌
『民が代』になじまない人には、『俺が代(おれがよ)』や『我が代(わがよ)』といった“個歌”のバリエ
ーションも用意されています。
『君が代』を『民が代』やその他の歌い方に変えることで、『君が代』斉唱アレルギーから一人でも多
くの人が解放されれば幸いです。
■住基ネット(住民票コード)カミングアウト宣言
《住民票コードによる立候補試案》
自らの住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の住民票コード番号をカミングアウト(公開告知)す
ることによって、住基ネット制度そのものを自壊させることは、はたして可能なのだろうか!? と考え
てみました。
前述した、『君が代』斉唱を強制化する国旗国歌法や盗聴法とともに、1999年8月の第145国会で
成立させられたのが、これも悪法として名高い『改正住民基本台帳法』です。そして、この改正住民
基本台帳法をもとに、この台帳を全国的に統一したコンピュータ・ネットワークシステムとして構築し、
国民ひとり一人を国家によって集中管理しようともくろんでいるのが、住民基本台帳ネットワーク(住
基ネット)と呼ばれるものです。法律成立から3年が経過した昨年(2002年)8月5日をもって、この
「住基ネット」が、具体的な個人情報の保護対策もなされないまま、実際に稼働しはじめました。
個人の情報を国(住基ネットの運営主体は、名目上、各地方自治体ということになっていますが)の
一元管理のもとに集め、住民情報管理の効率化・迅速化を図ろうというのが、この住基ネットの一応
の謳い文句になっています。しかし、住基ネットの真の狙いが、単なる事務処理の高効率化や迅速
化のみにとどまらないだろうことは、このシステムの導入・運営に危惧と不安を抱く多くの市民の一致
した考えです。
情報はそれを取得し、それを自由に管理・コントロールする者が高いアドバンテージを持ちます。さ
らに、情報は、秘匿すればするほどその価値が高まり、秘匿データを数多く収集・集積すればするほ
ど、そのデータの活用範囲はより広範なものになっていきます。住基ネットの場合は、そうした個人デ
ータの管理の元締めが、地方自治体であり国家であるということが大きな問題です。
さらに、今後は、この住基ネット情報(氏名・生年月日・性別・住所・付随情報)に、個人のさまざまな
周辺情報(運転免許・各種資格・税金・通信情報・定期券などによる交通移動や買い物、ビデオレン
タルの嗜好まで)を付加させ、個人そのものをより丸裸に近いかたちで、細部に至るまで完全に国家
が把握・管理するシステムにまで発展するだろうと見られています。
すでに、住基ネットのデータをベースとしたさまざまな付加情報が詰め込まれ、海外旅行におけるパ
スポートと同じように完全にID化された、ICチップを組み込んだ“住基カード”が用意され、その所持
が国や地方自治体によって奨励されています。さらに、この住基カードは、将来的には日常生活にお
いても常時携帯が義務付けられるようになるとの予想もあります。つまり、銀行における現金の出し
入れやホテル・レンタカーの予約はもとより、タバコ一箱やビール一缶買うのにも(成人を確認するた
めという名目でもつけて)、住基カードが必要とされる時代が到来する恐れがあるということです。実
際、韓国では国家管理によるコンピュータシステム化された国民総背番号制度により、総背番号を記
載したこの種のIDカードがなければ、日常生活も円滑に成り立ち難いといわれています。
また、コンピュータ管理の真に恐ろしいところは、その収集したデータをもとに、瞬時にして検索・抽
出・並べ換えができるということです。インターネットでの条件検索でも分かるように、世界中どこから
でも、検索条件を入力するだけで、該当事項をアッという間に抽出することができます。つまり、身長
や体重、年齢、性別、続柄、職歴、病歴などの条件を投入してデータを検索すれば、一発で徴兵や徴
用に向いた国民を抽出することができるはずです。
ここで注目すべきことは、この住基ネット、つまり住民票コードによる管理は“すべての国民”(在日
外国人をはじめとした外国人はもとより、住所をもたない者、つまり刑務所“番外地”に入所している
者や出所していても刑期未了者には住民票コードがありません)に対しておこなわれるということで
す。
当然、総理大臣も総務大臣も法務大臣も防衛庁長官も巨大宗教団体のカリスマ的指導者も、そし
てそれぞれのファミリーたちにも、公平に住民票コードが付与され住基ネットが適用されるということ
です。特に政治家においては、この住民票コードによって選挙権や被選挙権の有無、選挙区などが
管理されているため、このシステム(住民票コード)から絶対に逃れることはできません。(住民票コ
ードがなければ立候補もできないわけです)
さらに、“法律”は、それが成立した瞬間から、完全に独立したものとして機能する性質をもっていま
す。その法律を“提案・成立させた人”(この場合は与党国会議員)の意向など微塵も考慮することな
く、オートマティックに動き始めます。つまり、泥棒を捕捉するために綯った縄も、その縄が完成した時
点で縄を綯った人の手を離れ、どちらをも平等な捕縛の対象としてとらえることになるということです。
現在の政権が永久に続くという保証はありませんし、ましてや現在の与党連立体制がいつまでも存
続するという保証もありません。“銃器(住基)”は自分の手の内にある時は相手を威嚇し攻撃する道
具になりますが、いったん相手の手の内に渡れば、今度は脅され支配される道具になるということで
す。
また、コンピュータネットワークとしてのシステムの不備も多く指摘されています。システムの専門家
やハッカーの目からみれば、セキュリティ体制が極めて甘く、運用にあたっては当該公務員以外にも
業務委託された民間業者が加わるなど、その基準も曖昧です。その気になればシステムに侵入し
て、個人情報の漏洩・改竄も自在におこなわれる可能性があります。
よっぽどのおマヌケでもない限り、住基ネットを提案・成立させた与党国会議員も、この法律が両刃
の刃であるということを理解していないはずはありません。つまり、そこに自らの意志に反しても成立
せざるをえなかった理由があるはずです。
この住基ネットが有事法制とリンクしているのは周知の事実です。将来的には、思想管理や行動管
理、さらに徴兵制のためのデータベースとして利用されるであろうことは容易に予測することができま
す。
ここから先は私の想像(妄想)ですが、この住基ネットの背後にはアメリカが運用する世界的な盗聴
システムのエシュロンが控えており、日米安全保障条約発令時、つまり集団的自衛権発動時には、
そのエシュロンと住基ネットが連動しながら日本国民の個人情報をアメリカに流出させ、徴兵や徴用
をコントロールするのではないかと危惧しています。与党国会議員が住基ネットの採決において、こ
のエシュロンの存在と役割を充分認識し、積極的に連動をはかるために採決に臨んだのかどうかは
不明です。そうではなく、自発的に住基ネットの成立に賛成の意を投じたのなら、それはあまりにも能
天気な態度であると思われます。
それでは、国家レベルで強制される、このような個人情報管理に対抗・抵抗する手段としては、ど
のような方法があるのだろうかと考えてみました。
現在でも、多くの作家や文化人、市民グループ、一部自治体などが住基ネットに対して反対の声を
あげ、いたるところで制度廃止に向けての活動を展開しています。しかし、現状では思わしい効果を
あげているとは思えません。国家や自治体に対しての、こうした正攻法による地道な反対運動も大切
ですが、ここは発想を転換して、全く意表を突くやりかたで住基ネットを自壊させる方法を探ってみた
いと考えています。
その方法とは、住基ネットの最も基本となる情報である11桁の数字からなる『住民票コード』番号
を、社会に向かって声高にカミングアウトしてしまうことです。
もちろん、一人二人では全く効果は認められないでしょう。しかし、100人のうちの一人位の割合、
つまり日本全国で120万が住民票コード番号を一斉にカミングアウトして公表すれば、本来、住民票
コード番号の秘匿性(パスワードとしての機能)によって成り立っている住基ネットは、不意打ちを突
かれ、システムそのものが自壊していく可能性が出てくるのではないかと考えています。
全1億2000万行の個人秘匿データのうち、わずか数十行、数百行ほどのデータ漏洩ならば、それ
はシステムの運営上無視できるレベルかもしれません。しかし、これが、全データの100分の一、つま
り100万行以上ものデータ漏洩(カミングアウトによる住民票コード番号のオープン化)問題を抱え込
むとなると、それはもはや無視できるレベルではなく、次第にシステムとしての機能不全に陥るであ
ろうことが予想されます。 もしも預金通帳のパスワードが、電話番号帳のように不特定多数に向け
て一般公開されたとすれば、銀行の自動預け払い機(ATM)などは、その信用性の失墜により誰ひ
とりとして利用するものがなくなり、ATMというシステムそのものがあっけなく自壊して消滅するでしょ
う。相手(住基ネットの場合は国や地方自治体となります)が人質にとりたいと思う個人的な秘匿情
報を、相手に先駆けて積極的に公開してしまう。個人の秘密や弱みは、それを秘匿して握っているこ
とによって、はじめて相手に対しての脅しや恫喝が効き目を発揮します。それに対して、脅される側が
自らの秘密や弱みを暴露公開してしまえば、もはや秘密情報をネタに、その個人を恫喝し服従・屈服
させることは不可能になるはずです。
他人の個人情報を漏洩することは(2003年2月の現時点では個人情報保護法はまだ不成立です
が)法的にも道義的にもルール違反だと思います。しかし、個人情報を有する当事者(本人)が、自ら
の意志で自分の情報を公開するのであるなら、それは何ら問題のないものと思われます。また、シス
テムをハッキングするわけではないので犯罪行為とは無縁のはずです。
幸い、住基ネットは始まったばかりです。銀行預金にたとえれば口座を開設したばかりで、パスワー
ドを公開しても失う預金はゼロに近いということです。国家に個人情報が集積する前に、自分の住民
票コードをカミングアウトするという方法によって(多少の出血を覚悟しながらも)、このシステムその
ものに異議を唱え、自壊させていくことを試みてみたいと思います。
さらにもうひとつ。上記の住民票コードのカミングアウトが住基ネット自壊に対して効果をなさなかっ
たら、いささか手間がかかる手段ですが、積極的に住民票コードの番号を変更させていくという方法
もあります。(カミングアウトの後に住民票コードを変更するという合わせ技が一番効果がありそうで
す)
現在、11桁の識別番号(うち実際の住民票コードの番号賦与には重複なしの10桁分を使用)によっ
て構成されているのが住民票コードですから、単純に計算して最大桁分は[9,999,999,999]つま
り99億9999万9999人分の識別枠があることになります。ゆえに、国民総数の約1億2000万で単純に
割れば、国民一人につき83〜84回の住民票コードの変更を繰り返し申し出れば、原理的にはシステ
ムの住民票コード管理許容量をオーバーフローすることになります。非現実的ではありますが、国民
全員が3カ月程の期間(約90回)にわたって居住する自治体窓口に出向き、毎日しつこく変更を求め
れば、現行のシステムを自壊させることができるはずです。
※住民票コードによる立候補試案
公職選挙において、この住基ネットのベースとなる住民票コード(私流にいえば国民管理番号)の
11桁の番号をそのまま候補者名として名乗っての立候補ができないものだろうかと考えています。
(もちろんイロニーの精神においてですが…)
もっとも、本名(戸籍名)以外で立候補するとなると、『通称認定申請書』によって通称の使用認定を
受けなければなりません。その条件としては、通称が本名に代わるものとして広く通用している呼び
名でなければならないとあります。秘匿が原則の住民票コードが広く通用しているものとは思われま
せんが、マスコミなどで大きく住民票コードが報道されれば、この限りではなくなる可能性もありま
す。
住民票コードによる公職選挙立候補のメリットはたくさんあります。まずもって、基本の立候補資格
(選挙権や被選挙権の有無)が一目で検索・確認できますし、何といっても同一選挙区における同姓
同名候補による同時立候補といった難問題も、いとも簡単にクリアーできます。そのうえ、難字・難読
といった、名前の読み書きにまつわる混乱からも解放されます。総務省ご推薦・お墨付き・鳴り物入り
のご自慢の住基ネットですので、行政事務手続きの簡素化・合理化・迅速化をはかるために、この便
利な国民管理システムを公職選挙においても活用しない手はありません。
よもや、表象代置不可能な固有名詞としての名前をもつ実存的主体としての個人を、普通名詞や
代名詞、数字といくらでも入れ替え可能な表象記号的存在としての個人と同一のもの(人物)としてと
らえた時に生じる“背理”といったクリプキ的な問題に、総務省が頭を悩ませているとはとうてい思え
ません。なぜなら、総務省(国)が同定する住基ネットにおける私たち国民(人間)とは、そもそもが固
有名詞を剥奪した、いくらでも入れ替え可能な、記号としての人間でしかないはずですから…。
国家が単なる記号的存在としか国民を想定していないのであるならば、もちろんイロニーにおいて
ですが、実存的主体としての人間という概念を括弧に入れて、むしろ国家が望むところの記号(住民
票コード)に自ら進んでなって、記号としてのアイデンティティの名(数字)において立候補するのが自
明のことであると思われます。
なんとも馬鹿ばかしい試みではありますが、つまりは、ここまで考え込まざるをえないほど、住基ネッ
トは不自由で絶望的な制度であるということです。
ちなみに現在の私の住民票コード(国民管理番号)は“97518750570”ということになっていま
す。
※私は今後とも、この住民票コードを使用して住民票請求等の行政手続きをするつもりは全くありま
せん。もし、この住民票コードを利用(盗用)して何処からか行政サービスの要求があったとすれば、
それはすべて私本人の意志に反するものですから、その要求は一切が無効であるとここに宣言して
おきます。また、この県議会議員の選挙後(通称認定申請不許可の場合はその後)には、不意にこ
の住民票コードを変更するかも知れません。
■通信傍受法(盗聴法)には駄洒落で対抗
電話や携帯電話、電子メールなどにおいて、盗聴されていると感じたら『もしもし』の代わりに『もれ
もれ(漏れ漏れ)』と注意を促してから、会話を始めましょう。
■戦争準備法(案)反対インシスタンス
《有事法制(案)ならびに集団的自衛権への反抗と抵抗に向けて》
上述した『国民管理法(案):私称』とともに、私が最も危惧しているのが、いわゆる『戦争準備法
(案):これも私称』ともいえる一連(周辺事態法・テロ対策特別措置法・改定PKO協力法、そして有
事法制関連3法案とよばれる武力攻撃事態法案・自衛隊法改正案・安全保障会議設置法改正案)
の法制化への動きです。
こうした法律(法案)はそのすべてが憲法(特に第九条)の主旨に反しているものです。一般の法律
とは違って憲法には罰則規定(憲法が対象としているのは国ですので、実質的な罰則というのは国
民による“内閣”の不信任ということになると思われます)がないことをいいことに、政府は平然と最高
位法である憲法を無視し、平気で違憲行為を行っているというのが現在の状態です。
私は、こうした『戦争準備法(案)=有事法制(案)』のすべてに、まずは、この憲法(特に第九条)に
違反しているという事由をもって反対します。
“まずは”と一呼吸おいたのは、この『戦争準備法(案)=有事法制(案)』そのものが、内外の歴史
的な経緯や国際情勢の認識などにおいて、極めて複雑多岐にわたる内容を含んでおり、私自身も現
時点でそのすべてを把握・理解・分析するにいたっておりません。また、有事法制関係の法律(法案)
には、使用者の都合によっていかようにも解釈可能な(官僚の文章作成能力から考えていかにも不
自然な)、ある種意図的とも思える“抽象的な言い回し”(造語としての「周辺事態」というのは何を意
味する日本語なのだろうか?)や“悪文”の使用が多用されています。そのため厳密な法文理解は、
法律の専門外の私にはとりわけ困難がともないます。しかしながら、この法律(法案)が、非常に危険
な(ヤバイ)ものであることは、感覚的にも直感的にも理解することができます。そこでまずは、憲法
の理念に対立するものであるということをもって、この戦争準備法(案)=有事関連法(案)に反対を
表明します。
反対の理由となるもの(その危険性を直感させるもの)を幾つかあげるとすれば、たとえば、日米安
保条約をベースとした集団的自衛権が発動された場合、日本はそれ(戦争)を逃れることができなく
なるということがあります。
当面の仮想敵は北朝鮮を想定していると思われますが、現実的には北朝鮮は軍事的な脅威はむ
しろ小さく、本質はその背後に控える中国であると思われます。イデオロギー的な対立はもとより、マ
ーケットとしてみた場合、中国はその豊富で安価な労働力を背景に、急速に国力を増大させていま
す。世界の工場として、遠からず世界の盟主・アメリカを脅やかす存在になる可能性を秘めています。
そして、そうした状態になることに、アメリカが手をこまねいているとは思えません。
もしも台湾有事などがきっかけとなってアメリカと中国が対峙するとなれば、当然、日米韓で軍事同
盟を組んで、アメリカの主導で戦闘に参加することになるはずです。もちろん、実戦では、アメリカ軍
主導のもとに、日本および韓国の軍隊が最前線に派遣させられるであろうことは、ベトナム戦争時に
おける韓国軍の役割を考えれば、容易に想像がつきます。さらに、現在、極東を越えて遥かアフガニ
スタンや中東のイラクの地にまで、アメリカの“露払い・太刀持ち”として自衛隊の派遣域が延ばされ
ているように、今後とも、新自由主義という名目のもとに世界統一を目指すアメリカの覇権的性質か
ら推して、日本の意志や国益に関係なく、常に全世界の戦争・紛争につきあわされる危険性をはらん
でいるともいえます。
逆にいうと、この集団的自衛権(=日米安保条約)がある限り、日本と朝鮮半島(韓国と北朝鮮)、
中国(台湾を含む)、ロシアなどとの、相互的な連合(新たな亜細亜主義とでもいうべき、欧州のEU
連合に類比するAU連合のようなもの)は、アメリカの国益に反するということで、決定的に阻止され
続けることになるでしょう。 皮肉にも、日本とアジア諸国が反目し合う事柄、たとえば小泉首相の靖
国神社参拝などに対しては、アメリカ側からは遺憾の意の表明も明確なかたちでの反発もありませ
ん。本来なら、自国の兵士に対して神風という名の自爆攻撃を仕掛けた兵士たちや戦争指導者であ
るA級戦犯が祀られている神社に首相が参拝するということは、同時多発テロにおける自爆犯人た
ちやそのテロの指導者であるビンラディンを祀った墓所をアフガニスタンの首相が積極的に参拝する
ようなものですから、アメリカは小泉首相の靖国神社参拝に対して不快の念を表明し、参拝そのもの
を阻止すべく圧力をかけてくるはずです。国民世論や東アジアの反発は無視しても、アメリカの意向
は無視しえず、さすが強情な小泉首相も、靖国神社の参拝を中止するものと思われます。
小泉首相の絶対譲れない主義・主張も、しょせんはアメリカの顔色ひとつで左右される程度のもの
でしかありません。
ことほどさように、アメリカと日本政府をめぐる関係には、偶然とは思えない奇妙な演出性があること
に気がつきます。過去における田中角栄は米国頭越しの日中国交回復によって、その田中角栄の
娘である田中眞紀子は中国との緊密な関係指向によって、そして鈴木宗男はロシアとの独自利権ル
ートの構築によってという具合に、ともにアジア諸国との単独的な関係強化に乗り出したとたん、ロッ
キード事件や秘書給与疑惑、利権汚職といった理由によって、ことごとく政治的生命を断たれていま
す。犯罪の正否はともかく、こうしたアジアに顔を向けている一連の国会議員追放ムーブメントの背後
に、アメリカの影を感じるのは私だけでしょうか。加えて、今回の小泉首相の北朝鮮との国交回復外
交問題においても、交渉半ばにおいて、まさにアメリカによってハシゴを外されるかたちで中断を余儀
なくされたままです。
また、国内的に目を向けてみると、いったい、誰をどこを仮想敵(国)と想定して有事法制を成立させ
ようとしているのかが、あいかわらず不明のままです。私には、それ(仮想敵)が自国民つまり日本に
住む市民そのものであるとしか思えません。
国民をコントロールしやすくするためには、常に有事想定下に置いておくことが望まれます。有事想
定下とは戦争前段階、戦争予想段階のことで、実際の戦争状態ではありません。小泉首相お得意の
「備えあれば憂いなし」といった状態です。混乱や反乱が予想される実際の有事(戦争など)ではな
く、有事を想定した平時の状況下において、いかに国民を監視・管理していこうかという主旨のもとに
計画されているのが、この有事法制(案)=国民管理法(案):私称の、隠されたそして真の正体で
す。 北朝鮮が朝鮮戦争後約半世紀にわたって、実質的な戦争をしていないにもかかわらず、極め
て強固な全体主義体制を維持しえているのは、常に有事を想定(利用)し危機を煽りながら国民を管
理・監視するその政策によってです。
今回の国会では、おそらく北朝鮮問題を口実(隠れみの)にして国民世論を煽りながら、その騒動
の背後で有事法制化への動きを再び加速させるものと思われます。
それでは、実際に日本に対する有事(侵略行為)が発生したらどうすればいいかという問題が残り
ます。私個人としては、社会契約(法律)以前の『自然権』(生存権・正当防衛権)の概念をもって対処
すればいいと考えています。わざわざ有事法制化などしなくても、福田元首相がかつて「超法規的措
置」を発動したように、いざ有事となれば、政府首脳は一切の法律(憲法を含む)を無視して、100%
確実にこの超法規的措置を発動し、日米安保条約の管理のもと、アメリカ軍とともに好き勝手に行動
するに決まっているからです。そのときは、鳴り物入りで成立させた、この有事法制そのものが、今度
は邪魔なだけの無用の存在になるはずです。
つまり、有事法制(案)というのは、いざというとき(戦争時)に全く約にたたない、ただ平時において
国民を管理・監視するためだけの法律(案)ということです。
だいぶ妄想的ともいえる記述が長くなりましたが、私称、国民管理法(案)と戦争準備法(案)に関し
ての私の考えは、概ね上記の様なものです。
なにはともあれ、憲法順守の精神をもって国民管理法(案)と有事法制(案)の制定には断固反対
です。
●おわりに
『君が代』を『民が代』へ歌え替える提案は、戦後すぐすでにこの『民が代』斉唱を提唱した人がい
たと聞きます。未確認ながら朝日新聞の投書などでも過去に取り上げられたことがあったとも聞きま
す。また沖縄の方からも声があがったというのも耳にしています。しかし、『君が代』の『民が代』への
言い換え(いわば国歌のオルタナティブな歌い方としての提案のひとつ)が、未だ広く国民に普及して
いるとはいいがたいと思いますので、熟慮を要する点が多いとはいえ、とりあえずこの奇妙な試み
(提案・提言)を発信してみることにします。
一方、法律やコンピュータシステムを含め、さまざまな要素が複雑に絡み合う住基ネット問題におい
ては、『住民票コード番号カミングアウト宣言』は、単なるシロウトの発想・考えで、実現が難しいかも
しれません。また、100人のうち一人、つまり全国民の100分の一のデータ(住民票コード)公開で、シ
ステムが自壊するだろうと書きましたが、これはあくまでも私自身の感覚から割り出したものです。
(法律やコンピュータシステムに詳しい方、また統計学に詳しい方がいれば、住基ネットがシステム不
全となるための正確な数字を割り出すことができるものと思われます)
『民が代』も『住民票コードカミングアウト宣言』も、果たして国家とか権力とかいった偉そうなものに
対抗する戦略として適当であるか、また、大きなムーブメントとなって普及・定着していくかどうかは、
現時点では全くの未知数です。思いがけない効果を発揮するかもしれませんし、全くの不発・空振り
に終わるかも知れません。
なお、『日の丸』問題も『民が代』問題もインターネットのホームページにけっこ掲載されていますの
で、興味のある人は覗いてみるのもいいでしょう。
ただし、『住民票コードのカミングアウト宣言』などというバカなことを考えているのは、現在のところ
日本の中で私ひとりだけのようですが…
■駄洒落で政治にアンガージュマン
(略称:“駄政治案”もしくは“ダセイジャン”)
最後に私の趣味とする『駄洒落で政治にアンガージュマン』の報告をします。
これは、言葉の領域において、いかにして現在の政治状況に異を唱えることができるかという趣旨
のもとに個人的につくったもので、政治的な意味での特別な団体とか組織、グループではありませ
ん。私自身のプロフィールの一部と思ってもらってけっこうです。政治にアンガージュマンするための
主なツールとしては、駄洒落(ダジャレ)やイロニー(アイロニー)、パロディーといった、いわゆる“オヤ
ジギャグ”を使用します。ウケてもウケなくても構いません。時々、週刊誌の見出しに乗っている『マル
ナゲドン・小泉首相』といったようなもので結構です。何でもありです。その言葉づかいの下らなさ(寒
さ)をもって、悪化の一途をたどる政治状況・社会状況に対峙していこうと考えているところです。
パソコンの使用については詳しくありませんが、将来的にはホームページの開設や電子メール、フ
ァクシミリのような形で、各人から駄洒落やイロニー、パロディーを募集してネットワーキング化しよう
とも考えています。
以下、私が考えた“駄政治案(ダセイジャン)”をいくつか書き記してみます。
思う存分寒い思いをして凍りついてください。
※複写・伝言・転載を歓迎します。どんどんコピー・アンド・ペーストしてください。
[作例]
●「なんてったって小泉」@『なんてったっけ小泉』
(かつて言った公約や答弁を「たいした問題ではない」などとすべて忘れ、国会答 弁やマスコミ
会見においていつも前言を翻すことです)
●コイズム
(すべての状況を自分だけの主観で解釈し、合理的で理性的な判断を無視して一方 的に自らの
思想をまくしたてて表明する、その強引な政治手法のことをいいます)●「悪の枢軸」@『若(ワカ)の
枢軸』
(国際的には、アメリカのブッシュ大統領と北朝鮮の金正日総書記のジュニア同士 =ワカ殿同士
の関係を示します。また、国内的には、小泉首相・福田官房長官・ 安倍官房副長官の“官邸3ワカ
殿”“官邸3若ジュニア”の世襲議員を指し示し ます。世界、日本を含め総称して『世襲の枢軸』とも
いいます)
●「住基ネット」@『銃器ネット』
(ワープロで変換するとこう出ます。ワープロは賢くも住基ネットの実態を正確に 見抜いていま
す)
●『理念より利権』
(理念に沿った政治をすすめることよりも、自らの利権獲得に奔走する政治家の姿 表した言葉で
す)
●「国旗」@『個旗』
(日の丸に代わる個人の旗。プライベートフラッグとして使用します)
●「君が代」@『民が代』
(国歌にかわる国民歌です。『俺が代』『我が代』といった“個歌”もあります)
●「個人情報保護法案」@『個人情報反故法案』
「個人情報保護法案」@『公人情報保護法案』
(文字どおり、個人の情報を反故[ほご]にし、公人の情報を保護する法案のこと です)
●「デフレ対策」@『デブレ政策』
(デフレに対してとる政策で、経済活動やマーケットの拡大・肥大化をねらいイン フレ化を促進し
ます)
●「デフレ対策」@『テブレ政策』
(デフレ状況に対して政府が実施する、焦点の定まらない曖昧でブレの大きな政策 のことをいい
ます)
●「同時多発テロ」@『同時多発ペロ』
(個人personalと地方localで同時に行政・政府に対して異議を唱えることです。 ちなみに“同時
多発エロ”は高橋源一郎の小説名です)
●「改革なくして成長なし」@『外国なくして成長なし』
(常に安い労働力と豊富な資源を求めて発展途上国を産業植民地化する、資本主義 の根本原
理をいい表した格言です。また、他国に戦争を仕掛けてクラッシュ・ア ンド・ビルド的な手法によっ
て発展を支える『戦争なくして成 長なし』というのもあります)
●「備えあれば憂いなし」@『お備(供)えあれば命なし』
(「備えあれば憂いなし」という時の総理の言葉を真に受けて戦地におもむき戦死 した兵士の墓
の前に立って、その扇動に乗ったうかつさをいましめる格言です)
※この駄政治案(ダセイジャン)については、以後、新たな駄洒落やオヤジギャグを思いついたら、順
次発表していきます。
※本文を読んで、政治や社会状況を風刺するダジャレやオヤジギャグがありましたら、電子メールや
ファクシミリ、手紙・ハガキ等で、下記にお送りください。
※また、以上にわたって、書き示した政策案や私の政治(行政)に対する考え、さらに文章おいてに、
何かご意見ご感想がありましたら、あわせてお知らせください。
[連絡先]
住所:〒380−0803 長野県長野市三輪5−8−0606
電話・ファクシミリ:026−233−3904
電子メールアドレス:minamix@mx2.avis.ne.jp
提案・提言
はし やま とし お
枦 山 利 生
《住民票コード》
97518750570
(2003年2月5日現在)

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