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コラムページを開催します
★選挙の報告と御礼
長野県の県会議員選挙から半月近くがたちました。結果は皆さんご存知のとおり、得票数781票
の長野市区での最下位落選(ちなみに長野県下の最低得票数でもあります)となりました。しかしな
がら、無党派の無所属、無組織、加えて後援会も選挙事務所もない、原則『単独者』としての選挙で
したので、果たして100票入るかどうかという私ながらの予想(危惧)もありました。これを考えれば、
781という得票は最下位ながら望外の数字でもあります。
選挙期間をとおして更新が制限されていたホームページでしたが、当落が決定して以降は、畳の仕
事に追われ、また、出納責任者を兼ねていましたので選挙の収支報告書の提出などが重なったり
と、ほとんど限界までの多忙が続き、選挙結果の報告もままならない状態(パソコンの前に座ることす
ら難しい状態)でした。そのため、皆様に大幅に選挙報告が遅れたことをここにお詫び申し上げます。
《選挙の収支につきましては、収入の部で自己資金100,000円と寄付30,000円(ポスター貼りな
どの労務の無償提供を含む)で130,000円、支出は総額で70,395円でした。ちなみに選挙運動
費用法定制限額は、6,549,600円でしたので、ほぼ100分の1といった具合でした。もちろん、法
定費用外ですが、供託金の60万円は没収です》
特別な組織もなく、充分な選挙活動をやったわけではないので、私に投票してくれた人たちの多く
は、このホームページや選挙広報、公示ポスターなどによって投票してくれた有権者の方々がほとん
どであろうと思います。そのことを考えると、私の抽象的な政策や提言を充分に深く理解してくれたも
のと感謝します。私に投票してくれた有権者の方々は、政治的にも社会的にも、最も優れた見識を持
っていらっしゃる方たちだと私自身は思っています。
本当にありがとうござしました。
★今後の活動について
選挙も終わり、これからの活動についても色々と考えているところです。
当面、あるいは永久にか、公職に関する活動は予定していません。今回の選挙の結果を見れば判
るように、地方選挙では組織票がなければ無理だということを痛切に感じています。しかし、選挙に対
しての組織(後援会)をつくるほど私には力はありませんし、また、DOT&NET的な理念を掲げてい
ますので、ある特定な目的をもった組織をつくる考えもありません。あくまでも、『たしかな自律とやわ
らかな連帯』が私のモットーです。そのため、外野(公職外)での活動がメインとなります。
実際は、こうしたインターネットのホームページを中心とした活動になると思います。ホームページに
コラムや時事問題に関する感想、日記的な文章を掲載して、外に向かってささやかながら発信してい
こうと考えています。ものごとを原理的に考え文章にまとめるには、いささか充電期間が必要と思わ
れますので、それはもうすこし後になると思います。
また、コラム開始にともなってホームページのデザインを変更しました。幾らか柔らかな感じになって
います。(2003年4月30日)
★ コラム日誌
まず最初に、選挙期間をとおして感じたことを幾つか書いてみたいと思います。論文や営業用、報
道用の文章ではなくて、いわば日記や感想文のようなものなので厳密に検証する(ウラをとる)わけで
はありません。気楽に書きます。
● 是々非々について
報道機関をはじめ選挙をとおして良く聞きまた質問されたのが『是々非々』という言葉です。質問す
る方は、田中知事に対して賛成か反対かという意図を持って質問されたものと思われますが。私はこ
の質問に対しては常に、田中知事へのスタンスとしては『是々非々』で望むと答えていました。これが
報道関係をはじめ、親田中派および反田中派に対しては、知事に対しての反対表明としてとらえられ
ていたわけです。
しかしながら、私の感覚からいわせてもらえば、是々非々というのは辞書をひくまでもなく、個々の
問題毎に賛成と反対を決定すという至極真っ当な意味を持っています。県議という、知事ならびに行
政サイドのチェックを果たすという代議員としての立場(性質)からすると、代議員としての姿勢を問わ
れる場面としては、是々非々という応答の表現しかありえず、中立・ニュートラルという文字どおりの
純粋の意味で使用していました。
おそらくは、不信任現職が、知事とのスタンスにおいて是々非々を持って望むと発言し、それを受け
た田中知事が是々非々は反対の意味だと恣意的に解釈し、双方の見解に乗った形で報道関係者
が、是々非々とは田中知事に対する反対の意思表明であると政治的な文脈において判断し報道し
たものだと考えられます。
しかしながら、そうした当事者同士のいわば楽屋言葉的な解釈に乗った形による報道関係者の発
表が、一般の有権者にそのまま(田中知事や報道関係者が意図するとおりに)伝わっていたかどうか
というのは疑問です。特に報道関係者の特定の言葉に対する政治的で恣意的な解釈による報道
は、多くの混乱を招きます。反対に対しては『反対』という明確な言葉がありますから、少なくとも反
対・是々非々・賛成といった3段階ぐらいの字義どおりの正確な分類は必要ではなかったかと思われ
ます。
(中でも、私感としては、朝日新聞のアルファベット記号表記による候補者指向の単純きわまるマトリ
ックス分類には、ほとんど報道機関としての脳死状態を感じました。また、元コピーライターとしての発
想からいわせてもらえば、たとえ字数制限がある場合でも、是々非々を『是是是非』とか、『是非非
非』とか文字配列を工夫して使えば、同じ4文字でもさらに多用な表現が可能だったのではないかと
も思われます)
私自身、選挙で街中を歩いている時に、「あなたは田中知事に対して賛成かね反対かね」と問わ
れ、「是々非々です」と答えると困惑する人が多かったのも事実です。中には、是々非々というのは反
対の意味だと田中知事が言っていた、という有権者の方もいる反面、中立・ニュートラルという字義ど
おりの受け止め方をする人たちもいました。概ね、政治的に関心の高い人(今回の選挙戦に見れば
各候補の関係者たち)は、是々非々=反対として報道機関的に解釈し、それほどでもない一般の有
権者の方は字義どおりの政策毎の判断を示す言葉として解釈していたようです。
そのため、選挙の途中からは田中知事に対するスタンスはとの有権者の問いに対しては、私は『総
論賛成、各論是々非々』と答えることにしました。
もっとも、私の場合の田中知事に対する態度決定を、田中知事の意向や報道機関の使用定義どお
りの『田中知事に対しての反対』の意味での是々非々ととってもらっても、それはそれで構わないとも
考えていましたので、あえて訂正するつもりもありませんでした。
それは、同じ反対でも不信任現職の意図するところの反動的な反対ではなく、さらに、改革を推し
進めるための能動的な意味での反対でもあるというです。田中知事の改革の方向性には賛成の意
を表明しますが、田中知事が再選時に打ち出した『壊すから、創る』という政策スローガンにある種の
違和感と反発を覚えていましたので(私の感覚からすれば『壊すから、もっと壊す』の方が望ましいと
思っていますので)、改革よりも革命といった能動的な意味での反対と解釈すればそのとおりです。
実際、地域通貨導入による議員報酬のゼロ化宣言は、突き詰めると、国家や県議会といった制度
そのものに対する革命的・挑発的な試みでもあったわけです。
とりあえず、『是々非々』という言葉遣いに対しての違和感から書いてみました。どうも、私の感覚と
は違った政治的・報道的な文脈での使用法があるみたいで、今回の選挙戦はそうした言葉遣いに随
分と困惑しました。
(2003年5月1日)

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