〜あのね、20歳頃でもクリスマスって家族で過ごすと思ってた。〜
    
     ★

      ある年のクリスマスイブ。      
いつもの場所で彼と待ち合わせ。プレゼントを渡すつもりだった…。

彼も彼の家族と過ごす予定だったので    
ほんの少しでも      
話せたらいいな?なんて思いながら、雪の中待っていた。       


でもね…。来ないの、彼。
もう、電車の時間!?一本くらい遅らせてもいーよね?
そう思いながら時計の針に相談する。
まだ、ケータイなんて身近にない頃。
連絡する術もない。


タイムリミット!もう、帰らなくちゃ!!
こんなに、遅いんだもん。
きっと居なければ、帰ったと思って彼も帰るはず…。
後ろ髪を引かれる思いで、電車に滑り込み 家路を急ぐ。


★         

「何で、そこにいるの?ずっと待ってたのに!」           
帰宅して、しばらくして公衆電話のざわめきの中、彼から電話があった。     


もう、すっかり悲しいクリスマスになっちゃった!
「今から行く!」と言う私に
「もう、遅いから。帰ったら連絡する。」と彼。




あーん!どうしてこんな風になっちゃうんだろ?
実は、彼と結婚を考えてた私は、
私と待ち合わせて彼の帰宅が遅れて、彼のママの心象を悪くしたくなかった。
家族で過ごすクリスマスイブの…。

だから、彼に早く帰って欲しかったのに。
                   はるかがいなければ、彼もあきらめて帰ると思ったの。  
        

でも、彼は待っててくれて
彼にも、彼の家族にも、結果的に迷惑かけちゃって…。
変な気配りして、失敗しちゃった!

とても寂しいすれ違い。



その時の、彼からのクリスマスプレゼントが
このアルバムなの。


− The 14th Moon −