〜あのね、20歳頃でもクリスマスって家族で過ごすと思ってた。〜
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ある年のクリスマスイブ。
いつもの場所で彼と待ち合わせ。プレゼントを渡すつもりだった…。
彼も彼の家族と過ごす予定だったので
ほんの少しでも
話せたらいいな?なんて思いながら、雪の中待っていた。
でもね…。来ないの、彼。
もう、電車の時間!?一本くらい遅らせてもいーよね?
そう思いながら時計の針に相談する。
まだ、ケータイなんて身近にない頃。
連絡する術もない。
タイムリミット!もう、帰らなくちゃ!!
こんなに、遅いんだもん。
きっと居なければ、帰ったと思って彼も帰るはず…。
後ろ髪を引かれる思いで、電車に滑り込み 家路を急ぐ。
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「何で、そこにいるの?ずっと待ってたのに!」
帰宅して、しばらくして公衆電話のざわめきの中、彼から電話があった。
もう、すっかり悲しいクリスマスになっちゃった!
「今から行く!」と言う私に
「もう、遅いから。帰ったら連絡する。」と彼。
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あーん!どうしてこんな風になっちゃうんだろ?
実は、彼と結婚を考えてた私は、
私と待ち合わせて彼の帰宅が遅れて、彼のママの心象を悪くしたくなかった。
家族で過ごすクリスマスイブの…。
だから、彼に早く帰って欲しかったのに。
はるかがいなければ、彼もあきらめて帰ると思ったの。
でも、彼は待っててくれて
彼にも、彼の家族にも、結果的に迷惑かけちゃって…。
変な気配りして、失敗しちゃった!
とても寂しいすれ違い。
★
その時の、彼からのクリスマスプレゼントが
このアルバムなの。
− The
14th Moon −