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令和2年度 研究概要 (第2部門)

NPS2020201
題  目 中学生の潜在的自尊感情は理科の成績に影響を与えるか- 学力低下を防ぐための証拠としての可能性と展望 -
研究者 内田 昭利
概  要 中学生の潜在的自尊感情と理科の成績の変化という今までにない視点から理科の学力低下について明らかにすることを目的とした。潜在的自尊感情は,中学校入学直後に,集団式潜在連想テストで「自分」をターゲット語として測定した。指標に基づいて,「より肯定的な群」「肯定的な群」「否定的な群」にグループ分けし,分散分析を行った。その結果,潜在的自尊感情が「より肯定的な女子生徒」にだけ学力低下がみられた。教科ごとに分析を行った結果,「理科」のテスト成績だけが低下していることが明らかとなった。原因としては,「身のまわりの物質」の単元で行う分数・小数を用いる質量パーセント濃度の計算が考えられる。そこで,分数・小数概念の発達について,我が国ではどのように研究が行われてきたのかを調べたが,科学的研究手法による研究は全く行われていなかった。このままでは,いつまでたっても「エビデンスに基づく教育」は難しいといえる。
NPS2020202
題  目 ドローンを用いた直接観測による長野盆地周辺部の斜面温暖帯の構造の解明
研究者 佐々木 直人
概  要 長野盆地を取り囲む山の山腹では斜面温暖帯が見られることがあり、これは接地逆転による境界層の形成がうかがえる。温度計を取り付けたマルチコプタードローンで気温の鉛直分布を観測し、境界層の存在を調べた。高度500mまで飛行可能なドローンにたこ糸を下げ、1秒間隔で測定できる自記録温度計3つを10m間隔でつり下げた。練習・測器の調整・観測を合わせて29回の飛行を行った。ドローンに記録されているGPSの位置情報から時刻と高度を抜き出し、温度計に記録された気温を時刻でつなげて、気温の鉛直分布を求めた。長野市七二会で層雲が見られたときには、層雲の高さまでは気温が高度とともに低下するのに対し、層雲より上空では高度とともに気温が急激に上昇していたことから境界層があったと考えられた。長野市若穂で煙の屈曲が見られたときには、屈曲の高さに特異な温度分布はなく、気温が高度とともに上昇していたことから境界層はなかったと考えられた。
NPS2020203
題  目 簡易望遠鏡の貸し出しによる月の観察学習
研究者 瀧澤 輝佳
概  要 小学校6年理科の「月と太陽」の単元において、天体望遠鏡を用いた月の観察を行うことが望まれている。しかし、実際には、夜間に全員の児童を集めるのは不可能であり、学校で天体観察会を企画しても2〜4割程度の参加に留まることが多い。そんな課題意識を感じていたところ、国立天文台が開発した組立式の簡易望遠鏡「国立天文台望遠鏡キット」に出会い、この望遠鏡を教室で組み立て、児童一人一人に貸し出し、自宅で望遠鏡を用いた月の観察学習を行った。その結果、児童全員が月を観察でき、スケッチをすることに成功した。そして、主体的な学習活動を通して学習内容が定着もした。またクレーターを肉眼で観察した感動を得て、天文分野への興味関心を高めた児童も多かった。標高が高く、空気が澄み、晴天率も高い松本の星空環境を活かす天文分野の新しい学習方法として、「簡易望遠鏡の貸し出しによる月の観察学習」を推奨する。
NPS2020204
題  目 中部地方領家帯伊那山脈、桶谷苦鉄質岩体の地史 -苦鉄質岩全体の構造と変成岩捕獲岩中の十字石ほかの変成鉱物の変化を視点に-
研究者 手塚 恒人
概  要 筆者は、中部地方領家帯、伊那山脈の地質調査を北に広げる中で、小渋川西方の苦鉄質岩体に出会った。Yamada.T.(1957)により、1岩体と記載されていたが、調査を進めると、2岩体であることがわかった。北側の岩体を桶谷苦鉄質岩体、南側の岩体を白沢苦鉄質岩体と呼ぶことにする。両岩体とも堆積岩源変成岩捕獲岩を多数もち、細粒苦鉄質岩から粗粒苦鉄質岩(ハンレイ岩〜コートランダイト)まで漸移することがわかった。これらは、領家帯では初めてのことである。堆積岩源変成岩は、領家帯で4例目となる十字石を含んでいた。本年度の研究で、苦鉄質マグマが堆積岩源変成岩捕獲岩を帯状に捕獲すること、堆積岩源変成岩に対して接触変成作用を与えていることなどを明らかにした。また、コートランダイトは、苦鉄質マグマのロポリスの底に表れているのではないか、と予測した。
NPS2020205
題  目 火山噴出物の放射年代より推定される佐久盆地(小諸堆積盆)の形成史
研究者 寺尾 真純
概  要 佐久盆地内は周辺火山に由来する堆積物によって広く埋積されている。盆地の地史解明に当たり地質調査と堆積年代を推定すべく放射年代測定を行った。関東山地からは約500万年前以降の火山噴出物が盆地を埋積している。荒船山周辺において、火山角礫岩〜凝灰角礫岩・溶結凝灰岩・湖成層などから構成される、いわゆる兜岩層の層序を部層単位で整理した。この中にはカルデラ形成を強く示唆する軽石凝灰岩の厚層などが分布する。盆地内では一昨年の台風19 号により河床が洗われ、地層観察が行いやすくなった箇所があり、佐久市〜東御市にかけての千曲川及び支川域の地質調査も行った。新たな知見や従来の知見の再確認をすることができた(大杭層模式地におけるにおける堆積相や古環境推定。小諸市布引観音〜押出にて新旧泥流堆積物の分布確認や地滑りの確認。小諸市西浦〜押出にかけて火砕岩層と溶岩、段丘堆積物の確認。佐久市岩尾周辺の岩屑流分布等)。
NPS2020206
題  目 機械学習による長野県の気象要素と河川水位の予測
研究者 友定 充洋
概  要 長野県は、標高が高い北西の県境に位置する飛騨山脈や南東の県境に位置する赤石山脈とこの2つの山脈に挟まれて長野盆地や松本盆地などのいくつかの盆地で形成されている。山脈に挟まれて河川があるため、降雨の際には雨水が河川に集中する。そのため、洪水や河川氾濫が発生し、市民生活や農業などに大きな打撃を与える水害となっている。その他、長野県で発生する気象起源による自然災害には、集中豪雨、土砂崩れ、地滑り、土石流災害、雪崩、豪雪などがある。災害に備える時間が数時間でもあれば被害を小さくすることが期待されるため、数時間後の精度の高い局所的な気象要素や河川水位を予測することは重要である。近年、人間では状況把握が困難な大量のデータから特徴を抽出したり、予測を行ったりする技術としてAI ( Artificial Intelligence)がある。そこで、観測された気象要素データを入力データとして機械学習により局所的災害に繋がる気象要素や河川水位の予測を行う。
NPS2020207
題  目 長野市街地における長野盆地西縁断層帯の実態(構造・変位量・活動度)解明
研究者 中川 知津子
概  要 長野市城山丘陵付近にて表面波(レイリー波)探査を行った。表面波(レイリー波)探査とは、木槌を用いて人工的に加振し、伝わる波を1m毎に設置した地震計で受振し、コンピューターで解析する物理探査手法である。大がかりな機材が必要なく、掘削等を必要としないので、破壊することなく地下構造を推定できる。表面波探査を解析したところ、地下に変形構造が見られた。断層運動の影響に伴うものと考えられ、長野盆地西縁断層帯の一部と考えられる。従来、地形から城山丘陵は断層の影響によって形成されたと考えられてきた。本研究により、地下構造から城山丘陵は断層運動によって形成された可能性を初めて示すことができた。来年度は、さらに調査範囲を広げ、長野市城山・上松地区での地下構造を明らかにし、長野盆地西縁断層帯の位置や構造を明らかにしたい。
NPS2020208
題  目 懐古園の野鳥
研究者 中山 厚志
概  要 懐古園は特に冬期、探鳥の適地となる。小諸駅から3分という立地にありながら、やや人里離れた森で見られるエナガやカケスなど見られるという点、冬期はヒレンジャクやアトリ、シメなどの冬鳥が楽しめる特徴がある。また、運が良ければフクロウやヤマセミなども可能性がないわけではない。佐久教育会動物委員会で毎年1月6日に探鳥会を実施していて、今まで様々な野鳥を観察してきた。ここ数年間の動向としては令和元年4月にキビタキやオオルリ、コサメビタキ,ヤブサメのさえずりを聞いた。おそらく渡りの途中で繁殖はしていないと思われる。また、特定外来生物のガビチョウをこれも令和になって何度か確認した。また、令和2年1月には長野県にレンジャク類が大量に入ったため、情報があったところを確認に出かけた。懐古園はお願いしてヤドリギの実を残してもらってあるためにレンジャクがやってくる。軽井沢長倉神社、小諸諏訪神社で確認し、中野市十三崖ではキレンジャク含め200羽を確認した。

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