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平成24年度 研究概要 (第2部門)

H24-2-1
題  目 センダイムシクイの繁殖生態
研究者 石川 俊浩
概  要 センダイムシクイは低山帯の傾斜のある落葉樹林に生息している夏鳥である。「チョチョチョ、ビー」と囀り、この声を「焼酎一杯、グィー」と聞きなしている。比較的身近な野鳥でありながら、茂みの中で生活しているため、繁殖生態は不明な点が多い。少しでも繁殖生態が明らかになるよう調査を行った。2012年には、4月から7月まで、休日を利用して30日間調査を行った。調査時間の合計は151.5時間である。昨年度、定着した雄5羽が今年度もほぼ同じ場所に縄張りを構えた。今年度は、雄の囀りについて詳しく調べるため、1週間ごとに各雄について1〜2時間追跡し、1分ごとに囀りの回数を記録した。記録を集計すると、5月から6月にかけて、常に頻繁に囀っている雄と、5月初旬と下旬に囀りの割合が減少する雄がいることがわかった。今年度、巣探しを行ったが、巣を見つけることはできなかった。今後も継続して調査を行っていきたい。
H24-2-2
題  目 組込みマイコンを用いた小型人工衛星の研究と製作
研究者 小林 浩
概  要 専門高校生向けの高度な学習教材として、毎年開催されている『高校生向け缶サット甲子園』への出場も可能な模擬衛星を、組込マイコンシステムで実現した。摸擬衛星のサイズは350ml缶に収納できるもので、火薬入りモデルロケット(要資格)により上空70mまで打ち上げ、GPS情報によりパラシュートを制御し目的地点へ誘導するシステムを構築した。データ収集や制御状態はPCおよびタブレット端末でも制御・確認でき、C言語やAndroidプログラミング学習の他、複数の教科領域の融合学習に適した教材が開発できた。本研究にて開発した教材は、本校電子工業科3年生の課題研究テーマとして試行し、生徒の興味関心・スキルの向上の一助となった。
H24-2-3
題  目 長野盆地西縁部の斜面温暖帯の時間変化と川霧や煙の動きの関係
研究者 佐々木 直人
概  要 長野盆地西縁部に広がる茶臼山の南東斜面において、気温の定点観測から斜面の上部が下部より高温になぐ現象をとらえてその出現時刻や継続時間を調べること、川霧や層雲の動きの観測を行って斜面の上部が下部より高温になぐ現象との関係を明らかにすることを目的として、篠ノ井西小学校での予備観測と自記録温度計の日射除けの製作を行うとともに、共和小学校と信里小学校の気温観測値を集めた。篠ノ井西小学校での予備観測から典型的な気温変化が観測された。しかし長野地方気象台の記録と比較すると大きな差がある場合があり、百葉箱内の自記録温度計の設置の仕方や百葉箱自体の設置場所に問題があると思われた。そこで塩化ビニル板を加熱整形して自記録温度計小型の日射よけを製作した。また共和小学校と信里小学校の気温観測値から夕方から未明にかけて斜面上部にある信里小学校の気温が高いことがあり、その場合には霧や層雲が見られなかった。
H24-2-4
題  目 上伊那地区における哺乳動物の研究
研究者 関谷 圭史
概  要 上伊那郡内において、哺乳動物に関して調べてきた。ツキノワグマの人里への出没の増加、ニホンジカやニホンザルの分布拡大、かつて容易に観察できたニホンカモシカ、ノウサギが簡単には観察できなくなったことなど、以前と比べて変化してきていることがわかった。36年ぶりに横川渓谷に入ってみて、山の環境の変化が、最も大きな原因ではないかと確信した。かつて、伐採地、幼齢木植林地が至る所に広がり、ニホンカモシカやノウサギが食べやすい高さのところに豊富な餌を提供していた。現在、ヒノキやカラマツの植林地では、植林された樹木が中高木に成長している。しかも、単一の林ではなく、広葉樹なども混ざった自然に近い森になっている。ツキノワグマ、ニホンザル、テンなどが好みそうな環境である。住みやすくなった森の中で、勢いを盛り返したツキノワグマやニホンザルが、分布を広げているのではないかと思われる。
H24-2-5
題  目 レトロフォーカスレンズを逆付けした「高倍率超マクロレンズ」作成及び理科教材への活用
研究者 中沢 英明
概  要 昨年は立体的な小さなものを観察する方法として、顕微鏡や実体顕微鏡でピントをずらして何枚か撮影し、PCで焦点合成することを研究した。これは、観察物をスライドガラスに固定して焦点をずらした画像を複数枚撮影する必要があるために動くものの撮影は困難だった。そこで、一眼レフカメラに17〜85mmのズームレンズを反対向きにカメラ本体に固定し、「高倍率超マクロレンズ」を作成して実体顕微鏡程度の倍率で撮影できるようにした。レンズの固定にあたり、カメラ本体とレンズの電子接点をコードで接続することで、撮影情報のやりとりや絞りの操作をできるようにした。しかし、高倍率になると被写界深度が浅くなる(ピントの合う範囲が狭くなる)。そこで、光源を工夫して撮影物に光がたくさんあたるようにすることで、レンズを最大限に絞れるようになり被写界深度を深くすることができた。今後、このレンズを活用して、子どもたちの自然事象に対する興味を高められるように研究を深めて行きたい。
H24-2-6
題  目 アソシエーション・スキームに対するフロベニウスーシューア指標の高次元化および捩れ化
研究者 吉川 昌慶
概  要 有限群の指標理論において、フロベニウス−シューアの定理は最も重要な結果の一つである。近年、この理論のいろいろな代数や圏への拡張が活発に議論されている。本研究の目標は、有限群の群環の拡張であるアソシエーション・スキームの隣接代数において、フロベニウス−シューア指標の高次元化・捩れ化の理論を構築することである。K. Shimizu(2012)により、位数2の自己同型写像に対する捩れ指標に対して、有限群の場合と同様の定理が成り立つことが示された。高次元化については、ホップ代数の場合を参考にして高次フロベニウス−シューア指標と高次指標を定義し、同様の議論がある程度可能なことが分かった。高次指標は、ホップ代数の理論では、その加群圏の構造を研究するのに利用されているが、アソシエーション・スキームにおいて、その加群圏とどのような関係があるのかが今後の課題である。

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