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令和3年度 研究概要 (第2部門)

NPS2021202
題  目 血球を中心とした組織のプレパラート作成方法の検討とその活用について
研究者 小林 万喜子
概  要 理科の生物分野で顕微鏡を使った観察はよく行われているが、市販されている観察用プレパラートは非常に高価である。本校は農業高校であり、様々な動植物を用いた実習が行われているため、観察する材料に恵まれている。そこで、できるだけ安価かつ簡便に、血液を含めた組織の半永久プレパラートを作成する方法について検討するとともに、生物の授業において顕微鏡を用いた比較観察を通じ、探究活動の効果的な導入方法について研究する。まず、血液の塗抹方法について、教員が作成することを前提に複数の方法で再現性および作業時間を比較する。さらに保存性の良い固定方法や安価な封入剤の選定、凍結包埋の利用についての可能性を探る。また、本校で観察に利用したプレパラートを希望する市内の小中学校へ提供し、地域の理科教育にも還元していく予定である。
NPS2021203
題  目 陸上短距離走のタイム計測用M5Stack人感センサーモジュールの開発
研究者 佐々木 直人
概  要 小学校や中学校の「新体力テスト」で実施される50m走の計時短距離走のタイム計測装置の開発に取り組んだ。マイコンとしてディスプレイやバッテリーが組み込まれているM5Stackにより超音波センサーや人感センサーでゴールする人を検知し表示することができた。M5Stackに接続できた超音波センサーは反応が速く人感センサーは誤検知が少ないという特徴があった。人の検知を確実に行えるようにプログラムを調整したりセンサーを組み合わせたりしていくことが考えられる。さらにM5Stackに組み込まれているWiFiやBluetoothで2つのマイコンを接続することでスタート合図とゴール判定を自動化することができる。これにより子どもたちはそろった条件で自身のタイムを計測できるようになり指導者は子どもたちの取り組みの観察や声がけに注力することが期待できる。
NPS2021204
題  目 保育者のマスク着用の有無が子どもに及ぼす影響 ―記憶及び視線動向の観点から―
研究者 下平 正恵 ・ 宮原 千秋
概  要 新型コロナウイルス感染症の予防策として、保育者のマスク着用が余儀なくされ、その状態が約2年間も続いている。保育の現場において、保育者の表情が隠されたままで保育を行うことは、乳幼児の情緒面の発達にかなり影響が生じるのではないかということを問題点とした。本研究では、模擬保育室を使い、保育者役がマスクを着用して朗読をした場合と、マスクを着用せずに朗読をした場合とで、園児役である学生の記憶や、視線の送り先について実験・調査し、検定をおこなった。結果、マスクを着用の朗読を聞いた学生(マスク群)と、マスクを無着用の朗読を聞いた学生(顔出し群)とでは、記憶テストの正解率に有意差が見られなかった。一方、学生の視線に関しては、読み手の顔全体を見ていたという項目だけに、1%水準での有意差が見られた。また、学生の自由記述による感想や、朗読を聞く学生の様子を録画したものについても考察をおこなった。
NPS2021205
題  目 高山池沼に生息する水生昆虫(トビケラ目)の進化生態と系統進化史に関する研究
研究者 鈴木 啓久
概  要 中部山岳域は生物多様性創生において重要な地域であり、多岐にわたる研究があるにもかかわらず、高山池沼に生息する水生昆虫に焦点を当てた研究は少ない。さらに、高山帯に生息する種についての生態研究は皆無である。今回、高山帯に生息するトビケラ類の一種であるサハリントビケラについて遺伝子解析を実施し、種内の系統関係を明らかにした。その結果、中部山岳域で採集された本種において多様な遺伝子型が検出された。また、乗鞍岳畳平に存在する2つの池(鶴ヶ池・不消ヶ池)に生息する集団において生活史の追究を行ったところ、2つの池では水温変動が大きく異なり、それに応じて幼虫の発育速度に違いが生じていることが明らかになった。これにより成虫の羽化時期や卵成熟の時期に違いがあることが予想され、ごく近い場所での時間的生殖隔離が生じている可能性が示唆された。
NPS2021206
題  目 画像認識により物体の運動情報を可視化するiPadアプリの開発
研究者 中村 祐介
概  要 タブレット、スマートフォン、PCなどのブラウザ上で画像処理を行い、物体の運動情報を可視化する教材(Trajectoria)の開発を行った。撮影済みの動画を解析し、投げたボールなど物体の軌跡やグラフなどをブラウザ上で即時に表示する教材である。高校の力学の単元における演示実験・生徒実験において運動の基礎概念を伝えるための教材として、あるいは探究活動などにおける測定機としての活用を想定している。本研究の成果物であるTrajectoriaはオープンソースとしてhttps://ythkphys.github.io/Trajectoria/に公開されており、誰でも無料で利用できるようになっている。計算能力の低いスマートフォンでもストレスなく動作するよう、機能を絞り特化した物体検出アルゴリズムを一から作り上げた。新年度からの授業で早速活用するとともに、今後はより高度な機能を追加していきたい。
NPS2021207
題  目 トウモロコシの多収穫技術と世界の穀物市場が予察できる教材の開発〜農工商の連携
研究者 西澤 国之
概  要 本研究は、総合技術高校(農業科、工業科、商業科)の特徴を生かした学びの統合化を図る事例を提示し、課題解決型学習を推進することを目的としています。現在、日本の食糧自給率と穀物自給率の低さは国際的にも際立っています。そのため、糖質の高いスイートコーンの子実と炭水化物が豊富なフリントコーンを栽培し、さらにトウモロコシは穀物相場の指標になるため経済の仕組みを学ぶ教材化を試みました。生食及び粉状にして長期保存が可能となる加工用トウモロコシの利用や残渣の利用も視野に入れて、世界の生産現場を予察できる教材を作成しました。具体的に、トウモロコシの3期作の検証と環境に配慮した栽培技術及び葉菜類を組み合わせた経営を研究しました。簡易ビニールハウスの製作を行い、各種センサ・ファン・自動式フィルム巻上げ換気装置等を設置しました。育苗ハウスで根の伸長に合わせたリサイクル資材の活用とドリップ自動給水を実施しました。得られたデータを用いて、ハウス内の飽差と液肥管理の教材化を行いました。
NPS2021208
題  目 学校周辺の地上画像を取り入れた星の日周運動を再現する天体シュミレーション教材の開発と活用
研究者 林 康成
概  要 本研究は、学習者にとってよく知っている景色である学校周辺のパノラマ画像(既知の地上画像)を用いた天体シミュレーション教材を開発し、理科授業において実践して活用することとした。教材開発の結果、撮影したパノラマ写真を地上画像として天体シミュレーションに取り込む。象校の周辺画像を撮影しパノラマ写真として取り入れることにより、学習者にとって既知である動かない建物等のランドマークを教材に含めることができた。また、多くの教師が利用できると考えられる操作が簡単なソフトウェアを用いて、学習者にとって既知の地上画像である学校周辺の地上画像を用いた教材を作成し、実践してその活用することを通して、子どもの星の日周運動の理解が向上することが認められた。
NPS2021209
題  目 知的障害特別支援学校における科学実験の方法の確立と教材研究に関する研究
研究者 丸山 裕也
概  要 本研究は知的障害のある生徒を対象に、「体験的」、「具体的」、「成功体験」という3つのキーワードを基にして理科教育の実践を行ったものである。「体験的な理科教育」では、一人一人の実験機材を用意することや、補助的な教材を用意すること、また生徒たちが興味を持ちやすいテーマを実験に取り上げることで、生徒たちが自分たちで実験に参加できるような仕組みづくりを行った、「具体的な理科教育」では観察を主として取り入れ、生徒たちがあやふやなイメージであったものについて、触察などを通じてその生態を確認することを行った。「成功体験につながる理科教育」では、4コマ漫画や黒板のイラストなどで生徒が実験の一連の流れを視覚的に理解しながら、参加でき、かつ実験に安心して参加できるような環境設定を行った。結果としてこれらの理科教育を通じて、生徒達が主体的に実験をはじめとする理科教育に熱心に取り組む様子を確認できた。
NPS2021210
題  目 釜無川源流域における昆虫類を中心とした希少野生動植物の調査
研究者 宮澤 豊
概  要 石灰岩地など植物の生育に厳しい環境での植物類の観察を通して、関連する動植物のデータを得るとともに、県内における動植物の生物相の分布の実態を明らかにするための足掛かりにしようと、シダ植物や昆虫類の記録を積極的に行った。その結果、地域の生い立ちのイメージや、関連した環境に生育する動植物について記録を蓄積することができた。今回は、シダ植物という季節や天候などにあまり影響されないものを指標として調査することにより、他の動植物と関連付けながら、いろいろな環境の生物相の成因について考えていくこと手がかりを得ることができた。昆虫類については、天候や災害などであまりデータを集めることができなかったが、今後さらにデータを蓄積することにより全貌を明らかにすることができると考えられる。

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