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平成30年度 研究概要 (第2部門)

H30-2-1
題  目 発光現象を伴う反応の教材化
研究者 小口 隆秀
概  要 化学発光や物質の励起に伴う発光現象は、子供たちが自然科学への興味を抱く現象であると考え、化学発光を中心に光を伴う反応を取り上げた。シュウ酸の芳香族エステルを酸化して蛍光物質を励起させて蛍光を発生する反応について、シュウ酸エステルの種類、酸化剤とシュウ酸エステルの混合割合について検討して最適条件を探った。そして、ポリエチレンチューブに封入した化学発光スティックを作り、化学実験イベントで子供たちに提供したところ、好評を博した。こうした体験は、市販品と違って2液を混合することで、化学反応対する興味を膨らませることができた。さらに、身近な材料で発光する現象として、マイクロ波による蛍光灯やスペクトル管の発光、炎色反応を使った固形燃料の製作など光が関わる実験を講座で取り上げ、参加した子供たちの興味をさらに膨らませることができた。
H30-2-2
題  目 地域性を生かした高等学校理数科課題研究指導の研究
研究者 巣山 和人
概  要 木曽の豊かな自然の中で毎日の生活を送る高校生に、自然科学的な興味関心から、木曽の地域性に目を向けることが、本研究のテーマである。生徒の関心は、理数科においては、課題研究のテーマに反映される。課題研究のテーマや内容そのものは、生徒自身が、興味関心に応じて、設定するものであり、特定の意図を持って進めるものではない。生徒の選んだテーマについて研究を進めるにあたり、木曽の地域性が意識され、反映されることを期待するものである。ここでは、星空と水蒸気蒸留をテーマにした。自然を見つめる観点を例示することで、生徒はその視点から、地域に対する関心を高め、自然科学的な見方考え方で木曽を見つめるようになった。課題研究のテーマや理数科の活動に地域性が反映されたことは、本研究の成果と言える。  この始まりを、自然科学の学術的な成果へまで高めることを目指したい。
H30-2-3
題  目 大気圧LFプラズマによる滅菌技術の研究
研究者 関 悟
概  要 本研究は、イオン源であるプラズマの基本理論や技術を社会に還元することを目的にした研究です。 内径が4mm程度のガラス管に3kV程度の高電圧電極を設け、アルゴンなどの希ガスを流すと、高電圧により電子が電離することでガスがプラズマ化され、ガラス管の先端部分からプラズマジェットとして放出されます。高電圧電極をガラス管内部に配置することで、より効率よくプラズマ化を促すことができます。この方式は、他のプラズマ生成に比べて比較的簡単かつ安全な実験が可能であるとともに、実験装置に掛かるコストを抑えることができます。 このプラズマジェットを、大腸菌が塗布されたメンブランフィルターに一定時間照射することで、大腸菌を滅菌することができます。本研究では、照射10秒から阻止円の形成が観られ、120秒でほぼ全ての大腸菌を滅菌することができました。
H30-2-4
題  目 薬用人参を植物工場で育てるための基礎研究
研究者 関 弥文
概  要 長野県の特産物である薬用ニンジンを植物工場で育てるための基礎研究として、2年物苗と種子を使ってプランター栽培を野外とLED光を使った室内で行った。2年物苗については昨年の研究で、プランターでもある程度栽培が可能であることが証明されたが、まだ培養土や栽培方法に研究の余地が多くあるため、今年度も栽培試験を行った。しかし、今年度は肥料過多による栽培ミスにより、研究が満足できるものにならなかった。種子からの生育については、昨年度赤・青LED光で奇形が発生したため、今年度は全色LED光も利用して比較を行った。その結果、赤・青LED光は奇形になる可能性が高いことが分かってきたが、過湿による可能性も否定できなかった。また、本校に導入された植物工場根菜類用棚に数年後には薬用ニンジンを植えたいと考え、その特性を知るために短期間でできる大根栽培にも取り組んだ。
H30-2-5
題  目 サーモグラフィーを活用した理科学習教材に関する研究
研究者 中沢 英明
概  要 iPadやiPoneに接続できる物体表面の温度を色や濃淡で表すサーモカメラを理科学習教材開発に活用できないか研究した。また、iPadやiPoneの画面に映っている画像を学級の児童全員がリアルタイムに見ることができるようにApple TVを活用することにした。日なたと日陰の温度の違いは大変わかりやすい。土、アスファルト、金属による違いもよくわかる。横から観察した水の温度変化については、水自体でなく入れ物の温度を測定してしまった。子どもたちが一番興味をもったのは人間だった。静脈がわかることや体の表面温度が違うことに驚きがあった。今後は、活用場面を検討し、子どもがイメージしやすく温度レンジを工夫して色の設定ができるようにしていきたい。
H30-2-6
題  目 天体観測から始まる科学教育
研究者 中村 祐介 ・ 牛山 俊太朗 ・ 花井 嘉夫
概  要 漆黒の星空は木曽ならではの自然の恩恵である。高校理科は、学術性専門性の基礎教育であると同時に、現代の市民生活の教養としての自然科学という2つの大きな役割を持っている。われわれは、この高校理科の目標を、木曽青峰高校における天文台の利用をとおして実現させることを研究テーマとした。木曽青峰高校の天文台は、これまでもその役割を果たしてきた。この1年間の理科の授業は、天文台の存在をより意識したものとなった。われわれの意図と意識は生徒たちに伝わり、幅広い自然科学の話題として、生徒へ刺激を与えた。自然科学への興味関心を呼び起こし、より自主的な活動へ、知的好奇心を高めた。生徒と自然科学のかかわりはさまざまである。受験、進学、職業などは、役に立つ理科である。天文観察は、星空の美しさと知的好奇心に始まる。純粋に自然科学を究める第1歩が木曽青峰高校の天文台にあった。
H30-2-7
題  目 安曇野の野鳥
研究者 中山 厚志
概  要 安曇野市には市の鳥であるコハクチョウを始め犀川一帯や貯水池などにたくさんの野鳥が集まる。ここでは特に冬、御宝田遊水池を観察し野鳥を観察した。条件がよければ一度に数百羽、40種ほどの野鳥を観察することができる。オナガガモやヒドリガモなどがほとんどだが、よく探すと希少種のクイナやヨシガモ、マガンなども見られる。ほとんどのカメラマンはコハクチョウねらいで池から離れないが、周囲のせせらぎではカワセミがカワセミをねらい、ススキの草地にはベニマシコやエナガが、河原ではノスリなど猛禽やイカルチドリなどが見られ、ハリエンジュなどの林にはアカゲラやアオゲラなどキツツキが見られる。多様な環境を有することで多種多様な野鳥たちを育むことが可能になっている。また、飛来するコハクチョウの年による増減はどんな要因があるのかを考察した。
H30-2-8
題  目 マイコンボード Arduino を使った高等学校物理教育のための教具の開発
研究者 福島 伸一
概  要 高校生が物理を学ぶ際に活用できるマイコンボードArduinoと各種センサーやLED 等を組み合わせた教具の開発を目指した。マイコンボードArduinoは安価であり、プログラムが比較的容易でその情報も書籍やインターネット上に多数紹介されており、接続できる各種センサー類も安価であることから教具開発に適していること、データを取り出して実験結果をグラフ化して考察することで授業に役立てられることが確認できた。実例として、発光ダイオードによる三原色の観察、超音波センサーによる距離測定、加速度センサーによる加速度測定などに取り組んだ。今回の研究から、Arduinoと各種センサーを活用することでこれまでは簡 単に実施できなかった実験が行えることと、センサー等の原理を物理学現象として学べることArduinoを用いてプログラミング学習に取り組めることが確認できた。
H30-2-9
題  目 幼児期の性自認と遊びの関係
研究者 守 秀子
概  要 【動機】子どもたちの使用する自称詞(自分を何と呼ぶか)や、好きなキャラクターの調査結果から、性自認の目覚めは3歳児(年少クラス)にみられる事が示唆された。これに基づき、集団遊びにおいてはジェンダーがどのように反映されているかを調査し、性自認についてさらなる知見を得ることを目的とした。 【方法】保育園児を対象として、ジェンダーの視点からの集団遊びに関する調査を行った。回答者は、現職保育者及び保育実習終了直後の学生である。134クラスに関する有効回答を得た。併せて、現職保育者12名からの聞き取り調査も行った。 【結果】ジェンダーを意識した集団遊びは、2歳児クラスから見られ始めた。その後は年代を追って順調に増加していき、どこかの時点で急速に転換がおこるという現象は見られなかった。聞き取り調査からは、ジェンダーに関する保育や教育の意識には、園や個人により考え方や関心の有無に大きな差があることがわかった。
H30-2-10    特設テーマ@
題  目 長野県の中学生は「自然環境」に対してどのような意識を持っているのか 〜潜在意識と顕在意識の比較による検討〜
研究者 内田 昭利
概  要 潜在意識測定法として開発した「集団式潜在連想テスト」を用いて,中学生の「自然」「環境」「長野」に対する潜在意識を測定した。その結果,いずれの潜在意識も肯定的であった。特に,「環境」「長野」に対する潜在意識は,学年進行に伴い高まることが明らかとなった。この結果は,学校教育が「環境」「長野」に対して潜在意識レベルで効果を上げていることを示唆している。このように,新たな科学的手法である集団式潜在連想テストを活用することで,潜在意識,つまり「ホンネ」を窓口とした科学的根拠に基づく教育を推進していくことができる。これは,「経験に基づく知恵」と「科学的に実証された効果的な指導方法」を組み合わせ,全国に先駆けて「教育の科学化」に取り組んでいる「信州型ユニバーサルデザイン」にも通じる。長野発の新たな指導方法を発信するために,科学的手法である集団式潜在連想テストを有効利用していくことに期待したい。
H30-2-11    特設テーマ@
題  目 長野県におけるブッポウソウやフクロウ類の繁殖分布状況に関する研究
研究者 田畑 孝宏
概  要 今年度の成果は、昭和の初期(昭和4年の記録)に下伊那地域では下條村とともにブッポウソウの生息が確認されていた大鹿村に23個の巣箱を設置したことである。その結果、1つの巣箱で繁殖を確認することができた。隣接する中川村では繁殖番数が増加し、今年度19番が繁殖している。この地域での繁殖域が広がる貴重な成果となった。来年度以降、大鹿村における繁殖番数の増加に期待する。県内のおける巣箱設置によるブッポウソウの保護活動は、開始よりおよそ30年を経て成果がみられ、本県が東日本における本種の貴重な繁殖地になった。今後は、かつて本種の繁殖や生息が確認されていた都府県において、本種の繁殖や生息を確認し、そうした場所へ巣箱を設置して安定した繁殖地にするべく調査を進めていきたいと考える。
H30-2-12    特設テーマA
題  目 地域企業連携を活かした授業展開と教材研究
〜地域企業との連携による人材育成への取り組みと展望〜
研究者 鈴木 英介
概  要 上田千曲高校機械科・電子機械科3年生の課題研究の授業(3単位)において,年間を通して地域企業と連携する授業を実施する。その中で,生徒がオリジナルの樹脂製品を設計し,射出成形金型を設計し,機械加工などを学びながら製作したり,エンジンやモーターで動く自動車「エコランカー」を設計開発し大会へ参加するなど,地域企業の技術者の指導協力をうけながら学習を深めていく取り組みを計画した。成果発表の場として,長野市で開催されているエコランの大会への参加や長野県産業教育振興会での発表,本校課題研究発表会での発表などを実施した。今回の報告は,「射出成形金型による樹脂製品の開発」を中心にした報告であるが、地域企業連携の実施については,今後の本校でのものづくり人材育成のモデルの一つとして位置付け,生徒の育成と本校での人材育成モデルの構築,将来への展望も見据えた研究となった。
H30-2-13    特設テーマA
題  目 先端技術によるSTEM教育の実践
研究者 西澤 拓未
概  要 文部科学省の提示する「生きる力」と「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指し、2000年代にアメリカで提案されたSTEM教育を実践した。これはScience(科学)、Technology(技術)、Engineerring(工学)、Mathmatics(数学)の頭文字を取ったもので、AIやIoTといった最新技術に対応した21世紀教育を実現するための1つの手法となっている。その実践として、2年次の選択科目である物理基礎において、1学期の間は基礎の確認を行い、夏季休業後から課題探求型の授業を開始した。教科書の単元ごとに班を作成し、理数科などで行っているような課題研究と同様に半年間の探究活動を行った。その際に、生徒が必要とする3Dプリンターや騒音計などの機材を用意した。中にはFusion360というソフトを独学で習得し、作成した3Dモデルを3Dプリンターで出力して実験を行った班も出てきた。それぞれの研究のまとめとして成果論文を作成させ、年度末に発表会を開くことでそれぞれの分野のフィードバックを図った。
H30-2-14    特設テーマA
題  目 信州ロボティクスイノベーションチャレンジ
研究者 林 厚志
概  要 信州ロボティクスイノベーションチャレンジをテーマに、自由な発想でまだ世の中にない新しい価値を生み出すロボットを発明しました。その結果、全ての発明に対して栄誉ある表彰と評価を頂くことができました。 ■第45回長野県発明くふう展(一般社団法人長野県発明協会) @「どこでもドリンク缶太くん」 関東経済産業局長奨励賞 受賞 伊藤 竜迪、伊藤 寛人 A「いしころコロリン丸」    公益社団法人発明協会賞奨励賞 受賞 小松 大騎 B「WALL RUNNER」       長野県教育委員会賞 受賞 米山 拓希 ■第77回全日本学生児童発明くふう展(公益財団法人 発明協会)「WALL RUNNER」 米山 拓希 長野県推薦により全国155件の応募作品から 入選 に選ばれました。 この作品は平成31年3月27日(水)〜31日(日)東京・北の丸公園 科学技術館にて展示されます。
H30-2-15    特設テーマA
題  目 諏訪湖のヒシに関する研究
研究者 穂刈 英幸
概  要 ヒシは、浮葉植物で、夏季になると繁茂し漁業や諏訪湖の富栄養化に、また、刈り取ったヒシを焼却処分すると二酸化炭素を発生し、燃焼させるために化石燃料を多く使う等の影響を及ぼしている。 そこで、地元企業と連携を図りながら、刈り取ったヒシを有効利用すべく堆肥化を行った。この堆肥と化学肥料を用い、野菜を栽培し、その糖度を測定することでヒシ肥料の性能について調べた。 また、諏訪湖から採取したヒシに含まれる窒素・リン・カリウムの含有率の変化を調べ、ヒシが肥料として有効か検証を試みた。また、 採取したヒシで堆肥をつくり、野菜を栽培し、化学肥料などと比較しながらヒシ肥料の性能について調べた。

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