***All Tomorrow's Parties 2001*** 昨年に引き続いてA.T.P.と名づけられる。
今や毎年恒例のLondon南部Ryeで行われる室内宿付きフェスティバル。今年の主催者はTortoisだ。
去年のA.T.P.から早1年。今年も色々あったけれど、やっぱりあの雰囲気が忘れられない私。
というか、夏ごろにはもう行くと決めていたのだけれど。(笑)
とはいえ、メンバー集めには苦労した。決まっていたのは私と、去年のメンバーのヘクターだけだったから。
シャレーは少なくても4人用からしかないのだ。どうしよう?まあ、あと2人くらいどうにかなるか・・・。
そして、どうにかなった。ネットで同じくメンバーを探していた山下さんと知り合って、
彼の友達のイギリス人デーヴィッドで、4人のメンバーは決まった!
ああ、今年は女の子は私1人か・・・。4人は寂しいな・・・。などと思っている内にもう前日。
私は1人でLondonへ飛び立った。
でも実は1人行動の好きな私は、飛行機の中でも映画やゲーム、機内食で充分楽しみ、
1年ぶりのLondon上陸!着陸するや否や私の顔は微笑みっぱなし。あー!London!また来たよー!
チューブに1時間ほど乗って、ヘクターに会う。感動の再会で、今年のA.T.P.は始まりました。
6th/April/01'
(Fri)
今日は曇り。しかも小雨が降ってたりして肌寒い。でも私達4人は期待いっぱいの熱い思いでRyeへ。
ヘクターの仕事の関係で、ギリギリに着いた私達はRyeから会場までのバスを待つ長ーい列に加わる。
RyeはLondonよりもっと寒かった。‘げー!この寒い中バス待つの?’
‘このバスには乗れそうもないね、次のバスはいつくるのかな?30分後かな?’
‘まあ、タバコでも吸ってちょっとは暖まろうよ。’小雨の降る中の私とヘクターの会話。
キョロキョロしているとBelle&Sebastianのクリスを見つける!彼女と一緒だ。少しアツくなる私達。
会場のPontin'sに着いたらステージはもう始まっていた様だった。シャレーでお茶して、山下さん達はステージへ。
でも私とヘクター(のらくらコンビ)はまず食べ物を買いに行く。ピザにヨーグルト、冷凍チップスに玉子と牛乳、
ビスケットにチョコバー。あれ!Camber Sandsライターがある!欲しい!でも明日で良いや。
沢山食べ物をゲットしたのらくらコンビ。シャレーでゆったり夕ご飯を食べて、ちょっぴりキメたところでやっとステージへ向かった。
さて今日のステージは・・・
Stage1
The Ex Stage2 Radian
US Maple Atomosphere
Sun Ra Arkestra Mike Lad
Tortois Cannibal
Ox and Mr.Lif
Def Junx Posse featuring Co
Flow
MC***Neil Humburger
今年のメンツは、シカゴ音響系集団をはじめ、Tortoisの選んだバラエティに富んだバンドがいっぱいだ。
音響系有り、ヒップホップ有り、アフリカン有り、そして伝説のバンド(TV)有り。
MCのNeil Humburgerがまたポイントだった。ステージ1のバンド紹介MCをやるのだけど、
テカテカのバーコードヘア+黒ぶち眼鏡のおやじで、しょうもないギャグばかり言うんだもん。まあ、良いか。
のらくらコンビはステージ2で普段は全く聴かないHipHopバンドを見ていた。熱いねえ。‘Say
Yeah!'
そして続いてSun
Raをちょっぴり見に行く。わー!全員スパンコールの衣装だ!皆老いてる!
彼らの事は知らなかったけど、とても楽しいパーティージャズみたいな感じだった。
ブエナビスタ・ソシャルクラブって感じ?3曲くらい見てステージ2へ。
またHipHopだ。Def
Junx・・・はステージにたーくさんのMCがいて、皆それぞれ熱くライムしている。
LPを投げたり、優しく問い掛けたり、とてもサービス精神旺盛。頑張っていただきたい。
今晩の大トリは、主催者のTortoisでした。いきなり1日目にやっちゃうんだ。(笑)
Tortoisの新譜を聴いて魅了された私は、頑張って前から6列目くらいに行く。熱い。人の頭がいっぱい。
でも1曲目からやられた。Standardと同じ始まりだ!キャー!ああ、良いなあ。この漂うビート。
やっぱり頑張って音響やってるだけあるなあ。凄いなあ。しかも、ジョン・マッケンタイア、良い男だなあ。
映像も美しいし、音もパワフルだし。Black Jackなんてとてもダイナミックで良かった!ビブラフォンやメロディカも綺麗・・・。
幸せ。 底の厚い靴と時差ぼけのせいで途中でつらくなるけど、最後まで頑張って良かった。
凄いよ、主催者だけあるよ! 山下さんとDavidは言ってた。Tortoisのおかげでまたロックを聴く気になれた、って。
ならば私はTortoisのおかげでまたロックの深さを知った・・・かな。うまく言えないけど感動した。
7th/April/01'
(Sat)
今日はとても良い天気!でも起きたら12時を過ぎていた。
ビーチへ行く途中でフリスビーとボールを買うのらくらコンビ。あっ、ハガキも買おう!
うーん、懐かしい!また戻ってきたよ、Camber
Sands!でもちょいと風が強い。
日の光にきらめく砂浜と海、そして飛行機型の凧と格闘する男の子。うーん、ネオアコ!私は写真を撮った。
幸せな時の流れるビーチで私達は時の過ぎる事を忘れていた。
さて今日のステージは・・・
Stage1
Tony Allens Afro beat Stage2 The Eternals
Calexico
Derek Bailey
Lambchop The Sea and Cake
Boards Of
Canada ESG
MC***Neil Hamburger DJ***Stereolab,Tortois
私はアルコールが飲めない。アレルギーなのだ。嘘みたいなほんとの話。
そんな私の飲み物はいつもRed Bull。イギリス版リポビタンDみたいなので、黄色くて薬味がする。
カフェインもたくさん入っていて健康に良いのか悪いのかわからない。でも癖になる味で私のお気に入り。
今日もヘクターに買ってもらったRedBullとチョコバーを片手にうろうろ。
のらくらコンビはショップを覗く。フライヤーがいっぱい置いてある。楽しそうなクラブが沢山。
David
Bowie&Iggy Popの写真のフライヤーはとても気に入った。‘What a
couple!'
今年のTシャツは可愛い。女の子サイズは2種類あった。あと、A.T.P.CDもある。っ買う。幸せ。
さて、ステージはHipHopとアフリカンバンドが演奏していた。そうそう、ESGはキャンセルになった。
Calexico、名前からとても気になっていたバンド。なんとメキシカンスタイルなバンドで、
トランペット3人くらいでかなり威勢が良い!おもしろーい!パッパカパー!みたいな。
しかもかなり情熱的!こんなの初めてな私はしびれた。(笑)ヘクターは嫌いみたい。(笑)
でもなぜか、Stereolabのメアリーがゲスト参加していた。良くわからないけどおもしろかった。
今日の私の大トリは、Sea&Cakeだった。でもヘクターはLambchopを見ないと後悔するよ、と言う。
結局、Lambchopを少し見てS&Cへ行った。でも本当にLambchopは素晴らしかった。
メンバーが14人居るんだって。あの異様な音の雰囲気は彼ら特有だよー!
キーボードの彼も気になったし、これから注目しよう!と心に決める。よし、行こう!
Sea&Cakeはジョン・マッケンタイアのドラムが凄いらしい、と聞いていた私は2列目の端の
彼が良く見える場所を取る。その上、昨日、惚れちゃったもーん!
Ouiからの曲でスタート。思ったよりとても音が良い。かすれ声と優しいギターノイズ、
そして、絶対遅れたり狂ったりしないジョン・マッケンタイアのドラム!カッコ良い!!!
ずーっと見ていても決して微動だにしない。凄いね、あんなに刺青してるのに・・・。
それからずーっと幸せな音に浮遊していた私は、演奏が終っても佇んでいて、セットリストをゲットした。
S&Cの終、迎えに行くと言っていたヘクターがなかなか来ない。不安そうな私に男の子が声をかけてきた。
‘大丈夫かい?飲み物おごるよ、ちょっとパブ行こうよ?’ラッキー、‘ありがとう’
話を聞くと、彼はスコットランドはグラスゴーから来たようだ。Glasgow!良い響き。
‘私なんか日本から来たんだよ、でも価値あったよ、ジョン・マッケンタイア見た?’‘ああ、彼は最高だね。’
パブではスパニッシュのジャーナリストの男の子とOOIOOの話しで盛り上がった。音楽好きに国境無し!
ここでやるフェスのお客さんはやっぱり音楽がとても好きで趣味が良い、
しかも皆とてもやさしい感じ。お友達になるのにもってこいだと思う。
私の英語がもっとうまければもっと喋れたのに、間が持たなくなって友達を探すと言ってお礼を言って出た。
結局、ヘクターには会えず、山下さんとDavidとBoards
Of
Canadaを見た。眠ってしまった。(笑)
この日の夜は、StereolabのTim達がDJをやった。のらくらコンビは雰囲気を楽しみに行く。
うーん、ディスコポップ!のりのりな曲で盛り上げる盛り上げる!とても良い雰囲気なんだけど、
私は疲れすぎていた。30分くらいで帰ることにした。シャレーに帰るとヘクターは再び行った。好きだなあ。
外から皆の楽しそうな声がする。私もそれを聞きながら眠る。2:00Am・・・
8th/April/01'
(Sun)
今日は最終日。またお昼までゆっくり寝て、私は皆の為にBig
Breakfast(lunch)を作る。
ホットケーキ(MIX持参!)とスクランブルエッグ、ベーコンにチップス、カフェオレとヨーグルト、りんごも。
うーん!上出来だ。TVではDivoのライブ映像が流れている。カッコ良いなあ。おいしいなあ。
今日のビーチは強風注意報がでても良いくらいの風。頑張ったけど凍えた。
シャレーに戻って友達にポストカードを書きまくる。ビーチで遊ぶ小さな男の子のカード。ふふふ。
そうだ!昨日買おうと思ってたCamberSandsライター買わなきゃ!スーパーマーケットに行くのらくらコンビ。
‘あー・・・無いよおー。売り切れだよー。’‘やっぱり皆欲しかったんだね。’
ただライターにCamberSandsって書いてるだけなんだけど、とても欲しかったので悔しい。
‘CamberSandsボールペンならあるよ、それにしたら?’なぐさめるヘクター。だめだめ、ペンなんて邪道。
さて、最終日のステージは・・・
Stage1 Black
Heart Procession Stage2 Rick Rizzo&Tara
Key
Broadcast Fred Anderson Trio
Yo
La
Tengo Prefuse73
Television Autechre
MC***Neil
Hamburger
実は今日が私にとって勝負の日(?)だった。なんてったってBroadcastにYo
La、Television復活!だもん。
近頃70年代N.Y.アングラシーンにはまっていた私には彼らがとてもカッコ良く見えていた。
リチャード・ヘルなんて名前からしてヘルズエンジェルだもんね。(意味不明)ああ、彼らに会えるんだ。
山下さんもかなり気合入れてたなあ。楽しみ。
しかも私はBroadcastが大好き。1年ぶりのライブ、彼らの成長に期待していた。
と言うわけで今日ものらくらコンビはビールにRedBull、チョコバーにタバコを手にステージ2を覗く。
ステージの上にはおじちゃんとおばちゃん、おじちゃん2人。(失礼!)何やら全くCoolでない地味なバンド。
Rick
Rizzo&Tara Key。どうやらこのおじちゃんとおばちゃんの名前みたい。でも音聞いてビックリ!
カッコ良い!何だかSonic
YouthとMogwaiとBroadcastを足したような音。
アルペジオから轟音へ、疾走感もある。何だか見た目とかなり違うなあ・・・
感動するのらくらコンビ。わー凄いねえ、感激だねえ。新しいバンドの発見はやっぱり嬉しいものだ。
Black
Heart
Processionはまたまたキャンセルだった。私達はBroadcastのステージへ。
うわー!トリッシュ(Voの女の子)の髪の毛、すごい伸びてるー!可愛いなあ。わくわく。
のらくらコンビは前から2列目にいた。良い場所だけどカップルが前でイチャイチャしてる・・・。
Noise
Made By
peopleの曲から始まる。幻想的なステージの始まりです・・・。
映像やシンセ、トリッシュの透明な声。彼らのステージって、何て綺麗なんだろう!
私はしばしの間、ぼーっと彼らの音の中で浮遊していた。
と、ヘクターの声。‘あの子魔女に違いないよ、絶対魔女だよ!’‘?!’
確かにトリッシュの顔は真っ白で髪は真っ黒。やけに高い声で叫ぶ時もある。でも、魔女って・・・。(笑)
Come
On, Let's goやLivingroomもやってくれた!もう最高!思った以上に成長してる!
最後は‘Drums On
Fire'のパワフルなドラミングで幕を閉じた。凄いドラムだった!
満腹。でも、次はYo La Tengoだ!
Yo La Tengoとはスペイン語でI've Got Herという意味らしい。ヘクターが教えてくれる。
実は彼らのライブは初めての私。噂の‘You Can
Have It All'ダンスが見たい!わくわく。
Neil Hamburgerが出てきて、Yo
Laの紹介をしてる。何だかこのおじちゃん、好きになってきた。変だなあ。
疲れていた私は1人でミキサーの横フェンスに行く。ここなら見えるだろうなあ・・・。
でも見えなかった。何も見えなかった。時々アイラが見えるだけ。(笑)
‘I
don't mind!' えっ!何と彼らはWhoのKids Are
Alrightで始めたじゃないか!わー!凄い歓声。
そういえば2年前にもB&SがKids Are
Alrightやったなあ・・・。なんて思い出す。
彼ら独特の音の中、漂っていたらまた目が閉じてしまった・・・。
アンコールはRamonesとBlondieの曲をやった。彼らのN.Y.パンクへの思い入れを知る。
さて、やってきましたこのパーティー最大の事件!Television復活の時が!
AutechreやPrefuse73も見たかったけど、諦めて場所取りに行く。ヘクターとははぐれちゃって、
最前列を見たら山下さんが居た。(笑)こうなったら私も頑張っちゃおうかなー!
結局30分くらい山下さんとお喋りしながら最前列をキープする。日本じゃこんなことできないよ、絶対!
そして出てきた、Television!トム・ヴァーラインと・・あれ?リチャード・ヘルは?居ない。
彼は居るものと信じていた私は何だかがっかりしてしまう。しゅーん・・・。
でも、皆とても頑張っていた。新曲?をたくさんやって、まだ音楽やっているぞ!と見せつけていた。
でも皆が待っていたのはやっぱりマーキームーン。最後の方でやってくれた。感激。
カメラマンの数がとほうもなかったのを見ると、私は凄いものを見てるんだな、とわかる。
でもはっきり言って、途中で眠くなってしまった。良かったけど、・・・わかるでしょ?
そんなこんなで最後のステージは終り、今年のA.T.P.も幕を閉じた。
今回、4人のシャレーで寂しいかな?と思ってた私は間違いだったようだ。
皆楽しい時間を過ごせたし、何より私達には素敵な音楽とビーチがあったから。
来年の主催者はShellacで、BreedersやFugaziを連れてくるようだ。
おもしろそう!多分私は、来年もこの雰囲気を楽しみにくるんだろうなあ・・・。
ありがとうCamber Sands! また来年ね!