*Dear Catastrophe Waitress*
1) Step Inside My Dffice, Baby
2) Dear Catastrophe Waitress
3) If She Wants Me
4) Piazza NewYork Catcher
5) Asleep On A Sunbeam
6) I'm A Cuckoo
7) You Don't Send Me
8) Wrapped Up In Books
9) Lord Anthony
10) If You Find Yourself Caught In Love
11) Roy Walker
12) Stay Loose
はい。ベルアンドセバスチャン、待望の5thLPが2003年の10月に届きました!
前のストーリーテリングでは殆どがインスト、フルアルバムではなかったので
今回への期待はすごかったのですが、まずはまた
びっくり!
これがあのベルセバか?!というほど、アップテンポでノリノリな曲の多いこと!
あの、はかなく消えていきそうなベルセバ節は、このLPには1曲しかありません。
プロデューサーにあのTATUを手がけたポップ界の大物
トレヴァー・ホーン
起用したことも大きいとは思いますが、
世界ツアーを周り、たくさんの国へ行き、
大きなステージやジャズフェスへの参加、本国のグラストンベリーフェスにも出た彼らは、
刺激を受け、大きな自信をつけ、このLPによって
僕らだって踊れる曲を作れるんだ!
という、私たちへの挑戦状を叩きつけたのです!!

このLPを聞いていると、彼らの
音楽への愛や、バンドをやっている幸せ感、楽しさ
ひしひしと伝わってきます。ベルセバの世界を壊すことなく、カラッと垢抜けたこの
音たちを聴いていると、やっぱり、私もニコニコしながら
踊りださずにはいられないのです。
(うまくはめられたなあー。でも、踊れる曲が嫌いな人はいないでしょ?)

そうです、ノリに乗ってるベルセバは、このLPで遂に
ベルセバ第3期をスタートして
しまいました!(だって、どう考えてもそうでしょ?)
そうそう、イゾベル(ベル)が脱退したことも、もう何も関係ないくらい楽しい作品になってます!


Step Inseide My Office , Baby
ちょっと私のオフィスに寄ってかない?坊や?
なんてタイトルのこの曲は、のっけからフルートとドラム、トランペット(かな?)も跳ねる
アップテンポな二拍子ではじまります。そして、スチュワートの声の
はかなくも力強いこと! 
スティービー、サラのコーラスもさえまくり、ストリングスにペット、フルートの小技も利いてて、
なんなのなんなの?
これってベルセバなのお???と一回目はかなりびびります。
しかし、何回も利き続けると、絶対踊りだしたくなっちゃいます。
あ、途中で入る♪パンパンッ ポンポンッ♪というハミングがたまらんね。
そこから盛り上がって、ばつぐんのコーラスで閉めるエンディングも最高にお上手です!
PVでは、ドラムのリチャードが女上司に誘惑されます。
こんな展開ってベルセバ?! びっくりびっくり! ほんとびっくり! シングル化もされてます。
(それにもびっくり!だって今までは絶対に
シングルはLPに入ってなかったもん!)

Dear Catastorophe Waitress
この曲は表題曲ですね。 破滅的なウェイトレス様へ!なんて題名。
彼らの好きなカフェでウェイトレスを観察しながらできたんじゃないかな?
‘ああ、君は安い給料の割にはえらく大変な仕事をしてるねえ♪なんてさ。
この曲もかなりアップテンポな二拍子です。 スチュワートもこれでもか!これでもか!
と息を切らしながら
畳み掛けるように歌います。なんだかドラマティックで笑っちゃうけど好き。

If She Wants Me
3曲目はゆったりとしたちゃんと四拍子のさわやかーでやわらかーな
ベルセバ節です。
でも、なんだか幸せにあふれてて、
物悲しさは少しも感じさせません
スチュワートのがんばってる裏声がおもしろい。
でも、この1ラインがたまらん。 ‘一枚の封筒に全てを託すなんて君はまだ若すぎる’
ラジオでかかるのにぴったりなかんじね。 私はあんまり好きじゃないけど。

Piazza NewYork Catcher
おおーっと、いいねいいね。ベルセバにしては分厚い音圧に疲れたころにやってくる
スチュワートさんの
アコギ弾き語り! この物悲しさ、懐かしさ、やっぱりベルセバだ!
って思わせてくれてとても安心する。 同じ旋律を繰り返し繰り返しして行くところも
ベルセバー! この曲、好きな人多いはず。


Asleep On A Sunbeam
うーん、うまい!ここでベルセバ節を2曲続けて披露するとは!
サラがボーカルをとるとってもさわやかで可愛らしい曲。 Fold..で披露した
Waiting For The Moon To Riseの世界に似てるねー。サラはとってもロマンティックね!
途中、スチュワートとハモるところが素晴らしく気持ちよい。 このLPで一番大好きな曲。
(あー、何気に私、2004年来日でそのハモり、体験しちゃったもんねー!)
歌詞内容も素晴らしいよ! 


I'm A Cuckoo
みなさーん!この曲にはトウキョウとハラジュクが出てきますよー!
スチュワートさんは、前回来日の際、
原宿に群がるビジュアル系やデザイナー系ファッションの
若者たちに非常にびっくり、感銘を受けたらしいのです。(彼らはSunday Gangと呼ばれる)
いやあ、でも嬉しいねえ。そんなことで喜んで日本を好きになってくれて!
私みたいにヨーロッパ古着好きもサンデイギャングかなー?だったらいいなあー。(笑)
ここで歌われるのは、愛しい君がいない夜は寂しい、とか、やきもち焼いたりする男の子のこと。
‘君がいないんなら、原宿の若者を観察してるほうがいいよ!僕はどうかしちゃってるんだ!’
恋をしちゃってる人恋に破れちゃった人、特有の周りの見えなさを隠すことなく素直に
表現してるところ、それを笑えるところ、ベルセバ、変わったなあー。
とっても可愛らしいし、
二拍子アップテンポで踊ろ踊ろ! これもシングル化されてます。

You Don't Send Me
おどけたようなトランペットで始まるこの曲は、まあなんといってもトランペットがポイントね。
あと、コーラスの♪It's Nothing, It's Nothing♪がおもしろい。 あと、盛り上がりの
'Laughing Crying Jumping and Singing!'のところがすっごいいい。
こりゃあ踊らなきゃねえー。あーすごい、ベルセバで踊っちゃえるなんて!
いいぞーいいぞー! やっぱり音楽は楽しくなきゃね!

Wrapped Up In Books
おおー、この曲大好き!
ギターのリフと♪ドゥドゥンと流れるベースラインがポイント。
あー、もうこれも踊りだしちゃうよねえ! もう、野望なんて本に包んじゃえ!っていう
これも恋のもどかしさのお話。 スチュワートのあとの
スティービーのセクシーボーカル
がたまらないー! サラとの
コーラスワークも素晴らしいし、間奏後のキメもいいし、
なんてゆーかもう最高。 このギターリフはThe Aislers Setに似てる。スティービー好きだしね。

Lord Anthony

ここで出ました!
初期ベルセバ節。物悲しく美しく、スチュのはかないボーカル!
待ってました!みたいな。 この曲は確か96年くらい、バンド始まった当初の
古い曲の再レコーディング。 なので、1曲だけこう、昔に戻れます。
いじめられっ子アンソニーのお話。学校なんて大嫌い、先生なんて信じられない!
という青少年の心の奥のもどかしさ。 悩める私たちへのベルセバの贈り物。
ほんと、美しく、美しく、ほっとする。 
Smarter Than Teachers なんて名台詞!

If You Find Yourself Caught In Love
もしも君が恋に落ちたらば、まずは全ての物に感謝するんだよ!

なんていうまあ、なんて優しく、奥ゆかしい・・・・。ベルセバってかんじ。
邦題は恋の処方箋。 
歌いだしがポップスターみたくて可笑しい。
スチュワートのボーカルもまた、これでもか、これでもかと畳み掛けてきて、
私たちはまんまと乗せられる。 終わり方がちょっとあっけないけどね。

Roy walker
我らが
スティービーがリードボーカルをとる、これまた古臭くて楽しくてノリノリの曲。
途中ではいる言葉遊びみたいな早口もおもしろい。
トランペットやいろんな打楽器が楽しさを倍増させる!
そして、もりあがりの
...been around century♪のとこなんて
ママス&パパスみたくてすっごい好き。 うぉー!楽しすぎるぜい!

Stay Loose
クリスのグルーヴィーキーボードとボビー&スティービーのエレキが冴える1曲。
スチュワートのボーカルもなんかエフェクトが利いてて、面白い。
この1曲だけトレヴァー・ホーンが気に入らなくて、自分たちでミックスしたらしい。
そういえば1曲だけ曲調ちがうよね。 歌われるのは負け犬の男の子のこと。
でも、負け犬って大事だよ、そうなんないと、人の痛みがわかんないもんね。
ああ、そしてこの曲の1番のポイントは、
ボビーとスティービーのエレキの掛け合い
ちょーうかっこいい! ロッカーなんだもんねー!っていうのを主張!
そして、スチュとスティービーのハモりも最高であります。
一回聴いただけじゃわかんないよ、この曲の深さは!


ああ、ベルセバって、メンバーが多い分、引き出しが多くてちっとも飽きないね。
それぞれの才能がまとまって、なんだかすごいバンドになってきたよ!
これからまたどんなバンドになっていくのか、すっごい楽しみ!