If You're Feeling Sinister...
もしも不吉に感じたら・・・

働く、ってのは呪いみたいなものだった。
そう、スティービー・トーマス・ジャクソンとクリス・トーマス・ゲッデスにとってはね。
夢想者詩人のスチュワート・デーヴィッドなどは、始める前から忌み嫌っていた。
彼が手を動かすのは、鼻をいじるか、本を書くかのいずれかの時だけだったんだ。
題名は‘ある夢想者の憧れ’。1巻から10巻まで、10年で10冊。
それはまるで乱れ無き心の中で自由に漂うFeltのレコードのようだった。

そのアイディアが思い浮かぶ前、
彼、つまりスチュワート・デーヴィッドは、7年間Levenで釣りをしていた。
ドラムスについて考える前、リチャードは7年間、朝から晩までビリヤードの腕を磨いていた。
一方、スティービー・ジャクソンはもうすでに、ロックンロールに熱中していた。
彼は僕らが思春期に入る前に、もうビートルズなんて聴いて
彼らのビートニングについて話したりしていたんだ。
そしてギターを買うや否や、弾ける所ではどこでも弾いたし、その為によく働いた。
彼はレストランで恋人達のテーブルをギターで祝福し、後片付けもした。
スティービーは彼の郵便番号エリア内でのロック神話だった。
しかも彼は自分のミドルネームを‘Reverb'に変えていた。まだ幼い頃にだよ!?
テレキャスターを弾く彼の腕の血管は浮き出て、‘ロック家計図’みたく見えていた。

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ベルアンドセバスチャンは、不手際な資本主義の賜物みたいなものだった。
社会主義の子供達というのでも良かったかもしれない。でもそれもまやかしさ。
僕らは余った小銭のように集っていた。どこかの公務員のポケットの中の小銭さ。
ボスのご機嫌取りの為だけに新人訓練を考える奴らや、
ボスのご機嫌取りの為だけに態度をころころ変える奴ら、信用の為に売春婦と寝る奴ら、
僕らは奴ら全員を受け入れるのさ・・・

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僕らの鎖は職業訓練で繋がった。
スティービーはダンバートンシャー・マーシュで、
歩道橋施工の助手をしながら黒人の精神を歌っていたんだ。
釣りをしていたスチュワート・デーヴィッドは、
葦の茂みの向こうから聴こえる彼の甘い歌声に気づいた。
そして、黒ボールをうまく転がしていたリチャードも彼の歌声を聴いた。
スティービーの声を聴くと、2人共持っていた棒の類を置き、ほっと和んだのだった。

そんな頃、クリスは食堂でコーヒーやら食べ物を売る仕事をしていた。
彼は職業安定所から与えられる仕事ならば何でも試した。
でも、今の仕事が1番気に入ってた。
だってそこの食器洗浄器は今までで1番良く働いたからね。
その食堂は全国民に放送されているラジオ局のビルの中にあった。
ラジオ局の社員達の間では、‘僕らのラジオは未来の媒体だ’
なんていう考えが広まっていたけれど、クリスにはどうでも良い事だった。
彼はただ1つ、彼らがこの‘Hobart Elite'食堂を使い、
営業し続けている間は、うまくいってくれないと困るなあと思うだけだった。
そして遂にクリスはやってのけたんだ!
‘ああ・・・小さなクリス坊やよ・・・’僕は思っていた。
学校に居た頃みたいな簡単な放送じゃないんだ、皆が皆、聴いているんだよ!
ふふふ。奴らはバーガーキングをむさぼりながら驚くんだ。
‘なんてこった!この声はダーリーのクリス・ゲッデスじゃないか!?’なんて。
一方クリスはそこに居る。
国営ラジオ、Steinway Grandのあたりにたむろする猫のようにかっこよく。
まだまだ月曜日の朝が始まったばかり。
さあ、夢から覚めるんだよ、坊や・・・

イゾベルは大学を辞めようかと考えていた。
でも、僕らの夢が打ち砕かれようとしている時、
その彼女が素晴らしい助けになってくれるなんて、誰が思ってたろう?
僕らは君をずっと見ているよ。
そして、サラ。
君の美術の成績は、あんな紙に書いてある程度では無いんだよ。
君はいつでも良く働いていたね。
ああ、僕らにも秘訣を教えてくれないか・・・

僕はといえば、街バス運転手の試用訓練中の身だった。
僕をクビにするなんてろくでもないよ。
僕にはお客さんとのうまいやり方があったんだ。
素晴らしい運転手さ!
でも、彼らは僕こそろくでもない奴だと思っていたようだ。
たまにバス停を飛ばしたりしていたからね。
彼らは僕をののしり、僕は彼らのすれすれを通った。
微笑むなんて、到底できなかった。
クロスワードが唯一の楽しみ。
ののしり声はボスからも、乗客からも。
喜んでおもちゃになってやろう。
少なくとも自分のおかれた立場は解ってる。 最低最悪さ。
そしてしばらくしてまた職業訓練に戻ったんだ。
今度は鍛冶屋か窓拭き掃除さ。
でも結局はまた、バスに戻ってしまうんだけれどね。

ベルセバの2ndLP
にして世間の目が
彼らに注がれた
ベルセバ第一期
最高傑作
‘天使のため息’(邦題)
についているお話。
メンバーのことを
一人一人
スチュワートが
優しく書いてる。
仲間を大切にしてる
ってことが
よく伝わってくる
とてもいいお話。
スチュワートはまだ自分を
不幸だと思ってる。 
でも皆に出会って
何かが始まろうと
してるわくわくする
大好きなお話。
Feltのレコード
も出てくるよ!