下肢静脈瘤って、どんな病気?

 治療の中で最も行われている硬化療法併用結紮術について教えてください

 初回手術の場合にはかなりひどい静脈瘤であっても局所麻酔による硬化療法併用結紮術で根治させることができます。原則として一日入院で行われます、一日目の手術直前に超音波検査を行い、再度深部静脈が大丈夫かどうかまた静脈瘤の悪化に強く関わっている交通枝の場所をチェックして、皮膚にマーキングします。通常大伏在静脈系ではそけい部と膝の上を含め5、6カ所、小伏在静脈系では膝の裏を含め3、4カ所の皮膚切開が必要となり、原因静脈を根元で縛ってしまうと同時に太いものについてはそれぞれ5センチほど切除します。部分抜去術と言います。交通枝をしっかり処理しないと再発の原因になります。硬化療法は手術の翌日残った静脈瘤に対して細い針を数カ所に刺して、それぞれ1〜2ccほど注入します。硬化剤としては高濃度の生理食塩水とアルコール製剤が主に使われています。
 合併症としては抜去手術による知覚神経の障害、硬化療法による色素沈着・有痛性血栓、術後の皮下出血斑、腰椎麻酔による頭痛、手術創の瘢痕化などがありますが、いずれも必ず改善してきます。

  • 原則として1日入院
  • 1日目:
    • カラードップラーによる静脈弁機能検査
    • 静脈結紮術
    • 大伏在静脈系:そけい部と膝上部
    • 小伏在静脈系:膝窩部上部
    • 穿通枝の結紮(下腿部に2〜3カ所)
  • 2日目:
    • 硬化剤注入
  • 穿通枝の処置が再発予防のために重要
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