■ 2_June -the 2nd mission ■ (5)
ミナは俺の手を押さえたまま、深くキスし続けていた。
ミナの舌先が上顎をくすぐる。舌の輪郭をなぞっていく。
「…ん…ふ…っ…」
声がもれてしまう。どうしよう。すげえドキドキしてる。気持ちいい…。
「なぁ…」
ホントにどうしよう。こんな甘えた声が出ちまうなんて。
「手、離せよ。痛え…」
「離したら逃げんだろ。」
「…逃げない…」
ミナは手は離したけど、今度は俺の額と肩をベッドに押さえ付けた。
耳元に、首筋に、柔らかいキス。思わず、俺はミナの腕にしがみついた。
ミナはその体勢のまま、俺のネクタイを外して、ワイシャツの胸をはだけさせた。そのままじっと見下ろしている。
「なに見てんだよ。」
声が震える。ミナは俺の胸元をぺろっと舐めた。
「あ…あっ、」
身体が反応する。
「キサラって、小柄だけど身体しっかりしてるよな。」
乳首を舌先で転がす。親指の腹で揉みしだく。
「や…やめっ…」
ミナはちらっと俺の顔を見ただけで、まったくやめようとしない。すごい真剣な表情(かお)で。
ミナの細い指先と柔らかい舌が、俺の身体の輪郭をなぞっていく。乱暴にするわけでもなく、まるで大切な壊れ物でも扱うように、でも熱くて、ミナの熱が俺の中に浸み込んでくるようで…。それがすごく気持ちよくて、唇からもれる声を止めることができない。
ホントは、いつもの…さっきもやってきた手管を使って、さっさとコトを終わらすこともできる。煽るだけ煽って自滅させることもできる。でも今はただ…俺はミナの愛撫を受けるままになっていた。
ミナの手が俺のズボンのベルトで止まった。一瞬躊躇して、でもすぐ脱がしにかかる。
俺はもうとっくに、ひどく昂っていた。そこに、ミナは手を添えると、激しくこすりはじめた。
「ダメだって…っ。俺、すぐ…っ…」
「黙れよ。」
ミナはなおもこすりながら、唇で俺の口を塞いだ。
息が苦しい。頭がクラクラする。涙がにじんできた。
「…うっ…あ、あぁ…」
ミナが唇を離したと同時に俺は射精した。ミナのワイシャツの袖口が、俺が放ったもので濡れた。
「ごめ…汚した…」
「いいよ。俺がやったんだから。」
ミナは言いながら、自分も全部脱いだ。
色白で、柔らかくてしっとりした肌。抱きしめられると、ぴったり吸いついてくるような。背中もすべすべで、手のひらで触るとそれだけで気持ちいい。
「キサラ…」
ミナは俺をきゅうっと抱きしめて、耳たぶを噛んだ。
「すきだ…おまえがすきなんだ…」
こんなふうに求められたことなんて、今まで一度もなかった。ミナの熱が俺の身体のすみずみまで行きわたって潤していくようで、胸がぎゅっとして、熱くて、もう何も考えられない。
どうしよう。俺も、ミナがほしくて我慢できなくなってる。
俺は身体を起こして、ミナをベッドに寝かせた。
「キサラ…?」
ミナを上から見下ろすなんて、めったにないよな。余裕のない顔して…そんなに。
そんなに?
俺はミナの腹の上に馬乗りになって、奴のわき腹を舐めた。
「…うっ…」
ミナの指先が俺の頬に触れる。俺はそのまま舌をすべらせて、ぱつんぱつんに硬くなった場所を口に含んだ。
「あ…ああっ…」
俺の口の中でまた大きくなった。俺は急いで、もはや腕に引っ掛かってるだけになってるワイシャツの胸ポケットからゴムを出して、袋を歯でちぎり、ミナに装着させた。それから、ミナの指を掴んで、俺の口の中で唾液を付けてから、後ろに回させた。
「ここ、少し揉んで柔らかくして?」
「もう柔らかいよ…」
「じゃあ…いい?」
俺はミナに自分をあてがって、少しずつ腰を沈めた。
「…うっ…く…」
すごい硬くて…俺のほしいところに当たってくる。身体の震えが止まらない。
「キサラ…すご…キツい…」
ミナも息が切れ切れになっている。
「…うご…かして…」
もう、まともに言葉も出てこない。ミナは上半身を起こすと、俺の身体を倒して覆い被さってきた。そのまま激しく突き上げてくる。
「あ…あっ…あぁ…」
ミナの腕にしがみつくことしかできない。
余裕がないのは俺の方だった。ゆっくり味わうこともできないでいる。こんなこと…いつもしてることなのに、どうして、今はこんな…
「キサラ…俺…もう…」
ミナの声がうわずってる。
「うん…俺も…」
ミナの動きが早くなった。閉じ込められていたものを早く解放したいみたいに。
一瞬、ミナの身体がびくっと震えて固まった。次の瞬間には、俺もとろとろなものを放ってしまっていた。
「…あ…」
身体が痺れてる。はずんだ息が戻せない。
ミナは俺の顔にかかった髪をかきあげて、俺の顔をじっと見ると、深くキスした。
身体がじーんとして動けない。俺はベッドにうつ伏せに横たわったまま、ぼんやりとしていた。
ミナは部屋にあったバスローブを肩に引っかけて、ソファ前のテーブルに開いたままになっていたノーパソの画面をじっと見ている。
そうだ、まだ仕事中なんだ。こんなとこで寝っ転がってる場合じゃないんじゃ…
「キサラ。」
ふいにミナが振り返った。胸が、どくん、と鳴った。
「野坂が動く。」
「え?」
「今、携帯で会社の奴と話してたっぽい。30分後に部屋を出るって。」
「じゃ、俺たちも行かなきゃ。」
俺たちは慌てて、散らばってた服をかき集めて身仕度した。それから、この部屋に俺たちがいた痕跡がないように、手分けして点検した。
「行くぞ、ミナ。」
俺がドアを開けようとしたとき。ミナがドアのレバーに手を掛けて、俺を止めた。
「何して…」
「キサラ、ありがと。今日は俺を受け入れてくれて。」
ぱあっと顔が熱くなったのが自分でも分かった。
「バカ。別に俺は…テメーが無理矢理…」
歯切れ悪いな、俺。ミナは優しい目で俺を見て、俺の前髪をかき上げると、額にキスした。