海鮮将軍

  
 羽根物が好きな私が夢中になったベストスリーが、この海鮮将軍。私の行く店では見たの
が『たぬ吉』の後だった。たぬ吉が4000発打ち止めだったのと違いこの機種には打ち止め
は無かった。6〜7箱でることもあったが、V入賞はとても難しく、だからこそ、入賞がとても嬉
しくて、入賞後は抽選で、3・7・15ラウンドとなり、比較的15も多く、たぬ吉のように1ラウン
ドがないのも新鮮で嬉しかった。

 役物は海のイメージ。3個の階段状の台に、、パチンコ玉1個がやっと通るほどの水色の、
小さなペーパーの金魚すくいのわくのようなものがそれぞれについていて、それが、横に互い
違いに動いている。その3個が、中央で1列に並んだ瞬間に、羽根に拾われた玉がその枠を
通り抜け下までまっすぐ降りてくればV入賞。これが、難しい。
 でも、入賞さえすればパンクがありえないところも好きだった。たぬ吉のパンクには、悲しい
思いをしていたから・・・。しかしこの台も、出るときはあっという間で、1箱くらい平気で飲みこ
む台であった。

 この台の設置店は、とても少なく、私が見たのは、後にも先にもその店だけ。車で10分程の
そのパチ屋に通ったのは、海鮮将軍のためだけ。他の機種に目をくれることはなかった。
当時、我が家では私の工房を主人と二人で建築中。この工房は、都会の設計士さんが、凝り
に凝って設計したもの。設計図を見ても、出来あがりが想像できない代物で、木を刻むのに
90度がない特殊なもの。以前8角形のログ(主人の店)を建てた時より比較にならないほど難
しく、落ちこむ私は3時になるといつも海鮮将軍に逢いに行った。大工の途中で行くのだから
時間も長くなく、それが良かったのか、ほぼ毎日、4〜8千円くらいのプラスで、このお出かけ
タイムを、パートの時間と呼んでいた。
 休日には1日中その台に向かっていたが、終日やっていても飽きのこない珍しい台であっ
た。もちろん損をすることも多く、良い台が見つからない時は、しょうがなく店を移動することも
あった。たぬ吉のようなはっきりとした連荘性はなかったが、15ラウンドが早めに続けば、出
玉は結構多かった記憶がある。

 癖のある台のせいか、いつも満員だった、たぬ吉と違って、シマ1列に、2〜3人しかやる人
が無かったせいか、すぐに消えてしまった。いつも一緒に打っていたお兄ちゃんの顔がなん
だか懐かしい。
 パチンコ屋で会う人とは、それほど話すことが無いが、羽根物を1日中一緒に打てば、ジュ
ースのおごりっこくらいはするようになる。そのお兄ちゃんとは、今めったに行き合うことは無
いが、たまに見かけるとなんだか嬉しくなってしまう。

 羽根物で、なんとなく、狙い打ちができたのはこの海鮮将軍。このあとのファインプレーでは
いったい何処に打てば良いのかさっぱりわからなくてとまどった覚えがある。
 海鮮将軍のような台を、また是非打ってみたいと思っている。

                 (平成13年12月21日記)


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