皆さんきっと、イギリスの食事は世界一まずい!と、
どこかの本やらどこかの人から吹き込まれていると思います。
そして私だって少しの在英経験を経た調理師のはしくれとして、
この国のお料理は素晴らしく美味しい!とは決して言うことはできません。
本気で味が無かったり、すごく甘かったり、茹ですぎだったり・・・。
しかーし!そんな不名誉な事を言われているイギリスのお料理、
食べ物には、なんとも言いようのない愛嬌、ひとなつっこさ、親しみ感
わけのわからなさ、妖しさ、楽しさがひそんでいて、
食いしん坊の私の底知れぬ興味をずっと引き続けているのであります。
まあ、美味しい、まずいというのはその人それぞれによっても
全く違うし、好みの問題だとは思いますが、私の食いしん坊帳が
皆様のイギリスの食事に対する怖さを少しでもやわらげられたら
良いかなあと考えている次第であります。
*BREAKFAST*
朝ごはん
‘イギリスでまともな食事がしたければ、朝食を3度食べればよい’
なんてのを読んだことがあります。ひどいねー。(笑)
確かにB&Bなどに泊まると解りますが、イギリスの朝食は豪華。
FULL ENGLISH BREAKFASTはこんなかんじの内容です。
オレンジジュース、シリアル、ソーセージ、ベーコン、卵(目玉焼が多い)
焼きトマト、マッシュルームソテー、ベイクドビーンズ(大豆のトマト煮)
それにトースト、ジャム&バターにコーヒーか紅茶。
大きなお皿にソーセージからビーンズまでが綺麗に盛り付けられていると
味など考えずに朝から嬉しくなってしまう。写真参考。
でもここにもイギリスっぽい愛嬌が潜んでいるのだ。
まず、トーストはとても薄い。というか、イギリスには薄いパンしか売ってない。
トーストは物をのせて食べる道具という感じに思われてるみたいで。
でもその薄くかりっとしたトーストもなれれば美味しい。
そしてソーセージ。初めての人はきっとびびる。焼けすぎに見えるから。
こんがりと黒っぽくなるまでカリカリに焼けたソーセージのわけはこうです。
イギリスのソーセージは全てが生。中身も生だからよーく焼かないと
駄目なんです。そしてなにやらすごくしょっぱい。でもこれ、癖になる。(のは私だけ?)
で、ベーコンもしょっぱい。卵はスクランブルの所もあるし、でも殆ど目玉。
でも目玉焼きじゃなくて、目玉ゆで。フライパンに薄く水張って、
卵を割って綺麗にゆでる。マスターしよう。
で、焼きトマト。トマトを半割りにしてオーブンで焼く。
温かいトマトもなんだか不思議。マッシュルームはソテーなのかな?
やけに真っ黒な時がある。ゆでてるのかな?私は食べないのでわかんない。
で、ビーンズ!こりゃあイングリッシュブレックファストの主役だね。
大豆のトマト煮なんだけれど、やわらかくてなんだか訳のわかんない味。
好き嫌いが分かれるけれど、私はもう飽き飽きなので食べれません。
スーパーで缶詰が大量に売っているのでお試しくださいませ。
よく、ビーンズ&チップスとかなんとかとビーンズとか、
よく使われますね、このお豆。キャンプにも最適。栄養価も満点。
全て食べるとかなりお腹一杯ですよ。
このイングリッシュブレックファストはパブやレストランでも
一日中食べられる所が多いので、朝食逃しても、一回は食べてみてくださいませ。
ちなみに、スコットランドのスコティッシュブレックファストも
内容はたいして変わりません
*LUNCH*
お昼ごはん
日本でも、テイクアウトお昼ご飯の定番、サンドイッチ。
私が思うにイギリスでは、殆どの人がお昼ご飯はサンドイッチを
食べているような気がします。ささっと食べれるし、バリエーション豊富で飽きない。
BOOTSやPret Armanger、サンドイッチバー、スーパーマーケットに駅。
サンドイッチはどこでも見かける。ちょっと高級なバゲットサンドや
イタリアのパニーニなんかもあるけれど、
いわゆる普通の三角型サンドイッチもとても美味しい。
中身の種類をざっとあげてみると、ハム&チェダー(チーズはピザシュレッド状)、
ツナマヨネーズ、海老マヨネーズ(子エビがたくさん)、BLT、エッグサラダ、
ポテトサラダ、ターキー、チキンサラダ、
野菜などたくさん。どれも具が隅々まで入ってる!
そして、ほとんどが耳つきで食べ応えがあるし、
パンの種類はライ麦、白、黒など色々。
どれも300−400円程。
それにヨーグルトや飲み物を添えてどうぞ!
その他テイクアウトお昼に、ケバブがある。
筒状のラムやチキンをぐるぐる回しながら焼き、それを薄く剥ぎ取って
ピタパンに入れ、野菜やチリソースをトッピングしたもの。
イギリスのはボリュームたっぷりなので
最初はフォークで食べないとピタパンが見えてこない。
600−800円くらいかな。
そして、なんとパブでもちょっとしたお昼ご飯は食べれます。
オムレツ、バーガーそしてフィッシュ&チップス。
イギリスといえばフィッシュ&チップス。白身魚に衣を付けてかりっと揚げ、
ポテトフライ(拍子木型のみ!をチップスという。)をどさっと添えたもの。
お店によって差が激しいけれど、かりっ、さくっと揚がったお魚はほんと美味しい。
サイズも日本の白身魚フライとはスケールが違う大きさなので
これだけで一日もつかもしれない。
塩やケチャップは自分でつけるが、イギリスではモルトビネガー(茶色いお酢)
をかけるのが主流。油っぽいのをさっぱりといただける。
なんだかイギリスはお酢味が好きなようで、ポテトチップにもお酢味があるし、
豆サラダやパスタサラダもすっぱいものが多い。
まあ体に良さそうですけどね。口がしわしわになるんだよね。
その他も、各国料理のレストラン、
特にLondonでは中華の食べ放題がけっこうあるので、
そこでお昼を食べてみても面白いかもしれない。
1000円くらいで食べ放題。
マーケットのフードストールも面白い。
カムデンマーケットにはラーメンや寿司のストールも出てますよ。
**************************
*SWEETS*
おやつ
おやつ大国イギリス万歳!
まずはアフタヌーンティーというのをご存知ですか?
よく三段重ねのトレイにケーキやサンドイッチ、
スコーンなどが盛り合わせてあり、紅茶のポットとともに並んでいる光景。
イギリスといえば、アフタヌーンティー。まったりとゆっくりとどうぞ。
私は特にこれといってアフタヌーンティーを楽しんだ事は無いが、
いつか時間とお金に余裕があれば、
サヴォイホテルなんかで豪華にアフタヌーンティーを楽しんでみたい。
確か、サンドイッチはキュウリサンドが定番で、
スコーンにはたっぷりとジャムとクロテッドクリームが添えられる。
(生クリームとバターの中間のような濃いクリーム)
そのアフタヌーンティーのお家用バージョンでは、
よくビスケットが添えられる。ここでビスケットとは言っても、
日本のマリーのようなものではなく、もっと重たい
マクビティシリーズのものがイギリスではビスケットと呼ばれる。
全粒粉でできたちょっとしょっぱいバターたっぷりビスケットは癖になる味で
私の大好物!チョコが付いているのもある。
日本でも売ってはいるが、高級なのであまり手が出ない。
しかし、イギリスではとても安く、しかも大量パックで手に入るのだ!
スーパーマーケットのおやつコーナーに行ってみればわかるが、種類も豊富!
私は在英中にこれを食べまくり、恐ろしく太った経験がある。 ご注意!
もう一つ、ビスケットといえば、スコットランド特産のこってりタイプもある。
タータンチェックが目印のWalkersというブランドで
日本でも今や手軽に手に入るが、
イギリスみやげとしても未だに大人気の拍子木型の硬いビスケット。
これまたバターたっぷりで、お砂糖もたっぷり入っているので食べすぎは要注意。
とはいえしつこいのでそんなには食べれないと思いますが・・・。
ストレート紅茶にはぴったりですね。
このビスケットにも、チョコつきやドライフルーツ入りなどたくさん種類があります。
お土産屋さんには無いが、スーパーマーケットのおやつ売り場には
これまたたくさんの種類が並んでいて、しかも安いです。
そしてチョコバー!
チョコバー、ご存知ですか?SNICKERSとかMARS、KITKATなどは日本でも
おなじみですよね? イギリスはチョコバー大国でもあるんですよ!
だって、地下鉄のホームにチョコの自販機がある国ですもの。
(よく壊れているけど)
BOOTSやB2、ニュースエージェント(3つともコンビニのようなもの)に
スーパーマーケット、駅、カフェ、どこに行ってもチョコバーは置いてあります。
種類もざっと100くらいはあるんじゃないでしょうか?
おやつ大好きな私もよく色々なチョコバーを試したものです。
その中には食べ物とは言えないシロモノもあり、美味しくて毎日食べていたものあり、
ひとえにチョコバーと言っても奥が深いですね。
まず、決して買ってはいけないチョコバー。Crunchie。
どこにでもありますがかじってびっくり。
チョコに包まれた中身はべっ甲飴です。(笑)甘い!甘すぎる!
確か1本分のカロリーは1000キロカロリーと書いてあった覚えが・・・
(いや、まじで)
美味しいチョコバーでは、Timeout(キットカットっぽい)、
DoubleDecker(クランチにヌガー)、Penguin(チョコ&ビスケット)、
Bownty(ココナッツ味)、シリアル入りバーなど。
どれも比較的日本人に合うさっぱり味です。
特に、シリアル入りバーヨーグルト味はお気に入りで、毎日食べてた。
他にもドライフルーツ入りチョコレートとかもスティックタイプになって
売っていますのであなたのお気に入りを探してくださいな。
イギリスの有名チョコレートメーカーにCadbury’s(カドバリーズ)
というのが有ります。でもなんとなく、ここのチョコは味気ないなという感じがします。
日本のチョコのようなカカオの風味みたいのが少ないんですよね。
やっぱりチョコレートはスイスかベルギーにはかないませんね。
でも、イギリスのチョコバー、魅力的で街の散策には欠かせません。
ポケットにはいつもチョコバーな私です。
もう一つ、チョコ菓子ネタ。
イギリス独特(と私は思う)のチョコ菓子に、Jafa Cakeというのがある。
ジャッファケーキ。なんだかラスタマンみたいですが、
ジャッファというのはオレンジの種類のようで、
丸いスポンジケーキにオレンジジャムをはさんで
チョコレートで包んだようなお菓子です。
オレンジとチョコというなんとなく意外な組み合わせが
なんとも癖になる美味しさです。
イギリスでも昔から大人気らしく、TVのCMも可愛いですよ。
クリスプス。
Crisps。日本でいうポテトチップス。
イギリスでチップスというのはじゃがいもを揚げた物(日本でいうフライドポテト)なので、
ポテトチップスはクリスプスと言います。これまた持ち歩きおやつの定番。
甘いものばかりに飽きたらどうぞ。小さな袋で売ってます。
こちらもWalkersというのが有名で、味もBBQ、Ready
Salted、Vinegar、
など色々。Ready Salted(塩味)が一番さっぱりしておいしいけれど、
Vinegar(お酢味)も、1度食べると癖になるかも。
ちょっと酸っぱすぎてべろが痛みますが。
(笑)スーパーでは小さな袋が10ケ程詰まった枕のような大きなパックがあります。
ケーキの類。
さて。イギリスのパン屋さんのショーウィンドー。
見てびっくりした方は多いはず。
大きい!色が付きすぎ!マジパンコーティング!
そうですね、まずは大きさが日本の1.5から2倍は当たり前。
クッキーのでかさも驚き。スーパーではケーキ類、安く買えます。
なのでこの国でケーキ食べ放題などをやったら凄い事になりそうです。
エクレア、シュークリームのでかいこと!そして、生クリームには味が無い。
確かに甘すぎは最悪なので、ちょっと味の無いクリームと
チョコがけのシュー生地は良いバランスですが、きっとびっくりするはず。
普通のショートケーキの類のクリームにも味はあまりありません。
しかし、チーズケーキやピーカンパイ、キャラメルタルトなど、
素晴らしく甘いケーキもたくさんあり、日本的な程よい甘さというのが見当たらない。
イタリア系のケーキ屋さんなどでは私たちにちょうど良い甘さが見つかります。
クリスマスのケーキ。
イギリスのクリスマスには欠かせないケーキが二つあります。
一つはクリスマスプディング。もう一つはミンスパイ。
クリスマスプディングは良く話には聞きますが、勇気がなく未だに未食。
なんでもブランデーに着けたドライフルーツをたーっぷり入れて
熟成させているので火をつけると燃えるらしいのです。
(私はアルコ−ルアレルギー、食べたらきっと死んでしまうでしょう。)
色は真っ黒。ふふふ。
ミンスパイは、私も結構好きです。
ドライフルーツやナッツを入れた小さな丸いパイで、
クリスマスの頃になると、クラブでも配られたりします。
見た目も可愛いので、おみやげにも良いかもしれません。
その他、ドーナツやヨーグルト、トライフルにマフィンなど
大好きなおやつはたくさんありますが、書いていると終わりそうも無いので
ひとまずこれでお開きにしたいと思います。
皆さんも好きなおやつ見つけてね!
いかがでしたか?
きっと皆さん私の食いしん坊ぶりに
あきれ果てた事でしょう。
でもね、好きなんですよ。食べるの。
これからもイギリスに行く毎に
何か一つ不思議な食べ物を
探して来たいと思っております。
WEE食いしん坊代表
のの |