どのような症状が出るのでしょうか
血液があしにうっ帯する程度によって症状がことなります。最も軽い場合には、だるい、重たい、拡張している静脈部分または足全体の痛みを訴えます。血液のうっ帯が強くなるにしたがって、あしのむくみ特に夕方につよくなるむくみ、また皮膚のかゆみ、寝ているときに足の筋肉がつる(こむら返り)などの症状も出てきます。これは皮膚、筋肉内の循環障害による症状です。静脈に沿って炎症を起こししこりを作り痛くなる血栓性静脈炎、皮膚の血流が悪くなるに従って皮膚が紫色になる色素沈着が認められるようになり、さらにひどい場合には皮膚がぼろぼろになり皮膚潰瘍、湿疹や出血も伴うようになります。
どのような人に静脈瘤がおきやすいのでしょうか
男性より女性に多く、加齢とともに起こりやすくなります。女性の場合、約半数の方が妊娠をきっかけに発症し、産後三ヶ月程で自然に消失する場合もありますが、増悪することが多いようです。 また調理師さんや理容師さんなどあまり歩かずに長時間立ち仕事に従事している人にも多く見られます。どい便秘や腹圧のかかるコルセット、さらに肥満も足に負担がかかるため危険因子となります。
とくに妊娠との関係はどうでしょうか
全妊娠の5〜10%に発生し、80%〜90%は分娩後消失すると言われています。急激な体重の増加、腹囲の増大、運動量の減少によりあしの静脈への負担が大きくなり、足の筋肉ポンプ作用もはたらきにくくなり増す。さらにホルモンの影響によって静脈に障害を受けやすくなり、そこに増大した子宮による骨盤内の静脈の圧迫、分娩時の腹圧の上昇が加わることによりあしの静脈弁の障害が生じやすくなります。将来静脈瘤にならないために妊娠時には歩行に心がける、なるべく長時間の立ち仕事を避ける、外出時にはハイソックス型の静脈瘤用のストッキングを着用するなどの予防が大切です。
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