軽井沢十年

  
  広い空と 大きな山と
  たくさんの木々に囲まれ
  草ぼうぼうの道なき道を
  両手で分けて歩き続けた

       おいしい水と澄んだ空気と
       黒い土がいつでもあった
       時には寒風吹きすさぶ中
       ほほを真っ赤に染めもしたけど
 
           子供を育て 犬猫育て
           羊を育て 自分も育ち
           すてきな人とめぐり逢いながら
           どうやら十年 ここ軽井沢

                緑まぶしい希望の春 走り過ぎる夏
                木々が実をつける収穫の秋 寒くて休む冬    
                どうぞこのまま 自然の中で
                木から木へ飛ぶリスたちと
                荒地の中でエサをついばむ
                キジの親子と共にありたい
                ゆっくりでもいい 少しづつでいい
                このままで すすみゆきたい

              1989年 夏
              

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